AIを"守る"セキュリティ市場が68.7%増加、最も伸びる「4つの分野」は?セキュリティニュースアラート

AIシステムそのものを守るためのセキュリティ製品市場が急拡大している。Gartnerは2027年に前年比68.7%増と予測した。従来のセキュリティ製品では守り切れない領域はどこにあるのか。そもそも、攻撃者はAIエージェントのどこを突いてくるのか。

» 2026年08月29日 07時00分 公開
[ITmedia]

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 Gartnerは2026年8月26日(現地時間)、AIシステムそのものを守るためのセキュリティ製品市場について予測を発表した。企業が生成AIやAIエージェントを業務システムに組み込むほど、従来のセキュリティ製品では守り切れない領域が広がっている。

 同社によると、この市場は2027年に47億8300万ドルに達する。2026年比で68.7%増だ。2028年には約77億ドルまで拡大すると予測している。背景にあるのは、AIプロジェクトで使われるサードパーティー製ソフトウェアやオープンソースソフトウェアを巡る脆弱(ぜいじゃく)性の増加と、と、サプライチェーン攻撃だ。

 Gartnerがこの市場を構成するとした4つの分野は、伸び方が一様ではない。支出額が最も大きい分野と、成長率が最も高い分野は一致しない。限られた予算をどこから投じるべきなのか。

AIを守る市場、最も伸びる分野は?

 成長率が最も高い分野は、組織内のAIの使われ方を制御する「AI利用制御」だ。2027年に73.0%増と予測されている。

 Gartnerはこの市場を以下の4つに分類した。

  1. AIアプリケーションセキュリティ
  2. AI利用制御
  3. AIガバナンスプラットフォーム
  4. AIゲートウェイ

 いずれも、組織がAIを安全に、責任を持って、規制に沿って利用するためのソフトウェアやプラットフォームだ。2027年の支出額で最大となるのはAIアプリケーションセキュリティで、成長率ではAI利用制御が首位に立ち、AIゲートウェイが続く。分野別の支出額と成長率は次の通りだ。

分野 2026年支出額 2026年成長率 2027年支出額 2027年成長率
AIアプリケーションセキュリティ 5億800万ドル 82.1% 8億5100万ドル 67.5%
AI利用制御 4億3300万ドル 86.6% 7億4900万ドル 73.0%
AIガバナンスプラットフォーム 2億7500万ドル 77.4% 4億6200万ドル 68.0%
AIゲートウェイ 2億5100万ドル 80.6% 4億2900万ドル 70.9%
その他 13億6800万ドル 83.9% 22億9200万ドル 67.5%
合計 28億3500万ドル 83.0% 47億8300万ドル 68.7%

 表の通り、4分野に含まれない「その他」が市場全体のおよそ半分を占める。分類済みの4分野だけで市場規模を捉えると、実態を過小に見積もることになる。

 Gartnerのシャイレンドラ・ウパディヤイ氏(シニアプリンシパルアナリスト)は、従来型の製品との違いをこう説明する。

 「従来のセキュリティ製品は、AIアプリケーションを他のソフトウェアと同じように扱うことが多く、AI固有の脅威に対処するには大幅な更新が必要だ。AI利用制御やアプリケーションセキュリティといった専門的なソリューションは、こうした課題に応えるものとして急速に成長する」(ウパディヤイ氏)

 攻撃の入り口についても予測を示している。Gartnerは、2029年までにAIエージェントへのサイバー攻撃のうち成功したものの半数超が、アクセス制御の不備とプロンプトインジェクションを突くとみる。プロンプトインジェクションとは、AIへの指示文に不正な命令を紛れ込ませ、開発者や利用者が意図しない動作を引き起こす攻撃手法だ。同社は、既存のセキュリティ基盤にAIモデルを識別、監視、保護する専用ツールを組み合わせる必要があるとしている。

 AIランタイム保護や専用ゲートウェイの信頼性が高まれば、企業の導入は進む。一方で、自律的に動作するAIは従来の監視では捉えられない脆弱性をもたらすと同氏は指摘する。

大手かスタートアップか

 Gartnerによると、競争の構図は分野によって異なるという。AIガバナンスプラットフォームとAIゲートウェイは、ガバナンスやデータ、API管理の既存の企業向け製品を土台にする場合が多い。このため大手ベンダーがAI機能を追加したり、専門製品を組み込んだりして優位を保つとみる。

 一方、AIアプリケーションセキュリティとAI利用制御では、スタートアップの参入が相次いでいる。

 「市場の成長に伴い、統合や買収が増えると予想される。大手のサイバーセキュリティ企業が製品群を広げるために、これらのスタートアップを買収する動きだ。全体として、この領域の速い成長がベンダー間の激しい競争を生んでいる」(ウパディヤイ氏)

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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