耐え忍ぶ年にはしない
富士通は、2009年度業績予想を、売上高4兆8000億円、営業利益800億円、経常利益600億円、当期純利益200億円とした。主要セグメント別では、テクノロジーソリューションが3兆2600億円、ユビキタスプロダクトソリューションで9300億円、デバイスソリューションで5200億円をそれぞれ見込んでいる。ただし、テクノロジーソリューションの営業利益の予想額は1750億円で、2008年度よりもマイナスになると見込んでおり、サービス分野が2008年度に対して1.0%の伸びを示すとしている。
会見に出席した野副州旦代表取締役社長は、次のように話す。
「2009年は半導体事業をどうするか、が大きなポイントになる。台湾企業との事業提携を進めているが、今後の方向性はこの提携に則したものになっていくだろう。営業体制を“地域とソリューション”という軸から、“業種とプロダクト”という軸に変え、よりお客様起点でビジネスができるような体制に整えた。主として業種ソリューション軸で大企業、プロダクト軸で中小企業のお客様にサービスを提供していく。2009年度は若干明るい兆しも見え始めたという見方もあるが、相変わらず極めて厳しい事業環境だと考えている。そのため、内部留保を積み増しするなどの手当てをした。しかし2009年度を“耐え忍ぶ年度”とはするつもりはない。2010年度に入ってすぐに、ビジネスチャンスをしっかりつかめむための準備期間としたい」
また野副社長は、Fujitsu Siemens Computersを完全子会社化して新会社として発足させたドイツに本拠を置くFujitsu Technology Solutionsについて触れ、「設計を含めたサーバ製品の開発拠点となったことで、SAP、Cisco、Oracleなどの企業から協業の話が続々と舞い込んできている。まだ具体的な内容については明かせないが、理想的なパートナーシップを築くために努力していきたい」と話した。
また、野副社長は先ごろSun Microsystemsを買収したOracleとの関係についての話の中で、SPARC事業の影響に関し「SPARC対応のアプリケーションは国内にもかなりある。これらはIAサーバでは吸収できない。SPARC事業を守っていくことは、富士通の命題だといえる」とした。
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