ソフトバンクグループ、「ホワイトクラウド」でクラウド事業に参入
ソフトバンクテレコムは、ネットワーク経由でサーバのリソースを企業に提供するクラウド型のサービスを2010年2月に開始する。「ホワイトクラウド」というブランド名で、サービスの範囲をミドルウェアやアプリケーションにも広げていく計画だ。
ソフトバンクテレコムは11月18日、ネットワーク経由でサーバ関連のITリソースを提供する「ホワイトクラウド」と呼ぶサービスを立ち上げ、2010年2月に提供を開始すると発表した。
「ホワイトクラウド シェアードHaaS」および「ホワイトクラウド プライベートHaaS」と呼ぶサービスの受け付けを11月18日から始める。ソフトバンクテレコムが持つネットワークインフラとデータセンターを使い、共有/専用サーバのCPUやメモリ容量などを月額課金で提供する。
ホワイトクラウド シェアードHaaSで提供する仮想マシンのスペックは1CPU、1Gバイトのメモリ、100GバイトのHDDなど。対応する回線は1Gbpsの共用インターネット。オプションメニューとして、管理ポータル画面やロードバランサの設定、データのバックアップなどを提供する。価格は1仮想マシン当たり月額4725円から。
ホワイトクラウド プライベートHaaSは、サービスを導入する企業がサーバやストレージ、ネットワークの構成を選び、システム環境を構築できるもの。共用/専用インターネットおよび専用閉域回線経由でサービスを提供。仮想化ソフトのライセンス提供などをオプションメニューとしてそろえる。価格は個別対応。
ソフトバンクグループでは、クラウドコンピューティング関連のサービスや製品を「ホワイトクラウド」というブランド名に統一。ヴイエムウェアやEMCジャパン、日本ヒューレット・パッカードなどと組み、関連サービスを提供していく。今後はミドルウェアやアプリケーション関連のサービスを同ブランド名で展開する見通しだ。
同サービスの提供に先駆け、ソフトバンクグループのソフトバンクBBが10月からホワイトクラウドを活用してITインフラを運用している。サーバの台数は735台から230台になり、運用コストは5年間で13億9000万円削減できる見込みとしている。
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