GoogleはAndroid Marketの放任主義を改めるべき――アナリストらが指摘(2/2 ページ)
Android Marketは着実に拡大しているものの、ここにきてGoogleの無干渉主義的アプローチと管理の欠如に起因する問題が、一部で起きたアクセス障害とともに同アプリストアを徐々にむしばんでいる。
米Current Analysisのアナリスト、エイビ・グリーンガート氏は、eWEEKの取材で次のように語っている。
「Googleの無干渉主義的アプローチが、Android Marketで提供されているアプリの品質を高めたとは思えない。むしろその逆のような気がする。長期的には、Android Marketのオープン性がキラーアプリの出現につながる可能性は十分あるが、今のところは管理型アプローチの方が功を奏している」
問題はほかにも起きている。ダウンロードのカウント機能が無効になったり(6月12日に発生)、Android Marketが“閉店”になったりする(6月23日に30分間にわたって発生)といった障害が時々起きているのだ。
またGoogleはアプリケーションのリモート削除機能(キルスイッチ)を実行し、悪用の恐れがある2本のアプリをユーザーのAndroid端末から削除したことでも注目を集めた。
米Gartnerのアナリスト、バン・ベイカー氏は「今のところマルウェア問題はあまり重視されていないが、今後、大規模なマルウェア感染によってGoogle方式の弱点が浮き彫りになるだろう」と指摘する。
「同社は問題のあるアプリケーションの警告をユーザーベースに頼っており、自社のテスト手順を確立していない。この問題はいずれ修正する必要がある。少なくとも、マルウェアとセキュリティのリスクについてアプリケーションをテストすべきだ。これはGoogleの信用にかかわる問題だ」とベイカー氏は話す。
スパム系アプリや権利侵害、可用性問題などへの対処を怠ると、開発者がAndroid Marketを離れてAppleのApp Storeに移ってしまう恐れもある。
App Storeは、その厳格主義的アプローチが一部で批判されているものの、この種のアプリストアとしては文句なしに最も優れた存在だ。
「Android開発者の多くはApple向けの開発も手掛けているので、Googleが自社のアプリストアを修正しなければ、同社が失う開発者はMicrosoftやHewlett-Packard(HP)に行くだろう」とエンダール氏は分析する。「半年以内に修正しなければ、本当に開発者離れが起きる。怒って去った開発者は恐らく戻ってこないだろう」
ベイカー氏は、こういった事態になるのをGoogleが放っておくはずがないと考えている。
「わたしが目にした最近の調査によると、Androidに関心を持っている開発者の割合は、Apple向けの開発に関心を持っている開発者の割合とほぼ同じだ。Androidの勢いが今後も開発者を引きつける一方で、Appleの市場規模も拡大するだろう。結局、携帯端末の巨大なインストールベースは今も拡大しているので、開発者が引き寄せられるのだ」とベイカー氏は語る。
またGoogleは、GigaOmのアドバイスにも耳を傾ける必要がありそうだ。同ブログによると、Googleはアプリの認可を管理するともに、Android Marketの検索機能を改善する必要があるという。
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