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国産メインフレーム終了の「その先」へ――現実解「リホスト」という選択肢自動変換の精度95%超えの実力は

国産メインフレームの販売・保守の終了が刻々と迫る中、多くの企業は「ミッションクリティカルな基幹システムをどう守り、どう進化させるか」という難題に直面している。この待ったなしの状況下で注目されているのが「メインフレームtoメインフレーム」のリホストという選択肢だ。

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 キンドリル、SCSK、トランスウェア、BASE100の4社は、「ミッションクリティカルな基幹システムをどう守り、どう進化させるか」という難題の現実的な解決策として、国産メインフレーム上で稼働しているアプリケーション、データベース、JCL(Job Control Language)といった資産を「IBM Z」に移行する自動変換ソリューション「Caravel zShift」を共同開発した。

 本稿では低リスクかつ効率的な移行を実現し、その先のモダナイゼーションへとつなげる同ソリューションの意義と効果を、キンドリルとSCSKに聞いた。

国産メインフレーム終了で迫る基幹システム移行の現実

 長年にわたって多くの企業の基幹システムを支えてきたメインフレームだが、いよいよその運用体制に「待ったなし」の見直しを迫られている。

 国産メインフレーム市場を取り巻く環境は大きな転換期を迎えており、今後10年程度の中長期的な視点では、製品サポートや運用体制の変化への対応が求められる。こうした中、多くの企業が将来を見据えた検討を進めているものの、移行先の選定やリスク評価の難しさから、具体的な移行計画の策定に至っていないケースも少なくない。

 もっとも「脱メインフレーム」が叫ばれてから久しく、実際に多くのシステムがすでにオープン系プラットフォームやクラウドに移行している。裏を返せば、それでもなおメインフレーム上に残るシステムには、残らざるを得ない相応の理由があるということだ。これこそが、いま多くの企業が直面している課題の本質だ。

 キンドリルの日本法人であるキンドリルジャパンの中尾友謙氏は、メインフレーム移行が停滞する要因を次のように指摘する。

 「企業の目的はメインフレームを使い続けることではなく、その上で動くミッションクリティカルな基幹システムを、低リスクで安定的に運用することにあります。この本質に寄り添う解決策が、これまではほとんど見当たりませんでした」

 

写真:中尾氏
キンドリルジャパン コアエンタープライズ&zCloud事業本部長 執行役員 中尾友謙氏

 SCSKの圓尾学氏が、このように続ける。

 「今回の移行は、顧客が計画的に進めるアーキテクチャ変更ではなく、サポート終了に伴う外部要因に起因するものです。長年使ってきた基幹システムをアーキテクチャから見直すには多大なコストと時間がかかる上、人材を確保するハードルも高く、なかなか移行に踏み切れない状況に陥っています」

写真:園尾氏
SCSK 理事 ITインフラサービス事業グループ マネージドサービス事業本部 本部長 圓尾学氏

 実際、可用性や信頼性、とりわけI/O周りの安定した性能が求められるシステムは、無理にクラウドへ移すとかえってコストがかさむケースも珍しくない。テスト工数も膨らみ、プロジェクトは数年がかりになりかねない。だからこそ「基本的なアーキテクチャを維持したまま、安全に移せる」選択肢が求められている。

有力な移行先として浮上する「IBM Z」という現実解

 そうした中で中尾氏や圓尾氏が、国産メインフレーム上で稼働している基幹システムの有力な移行先としてスポットを当てるのが、IBM製のメインフレーム「IBM Z」だ。

 「IBM Zに対してIBMは長期にわたるロードマップを明示し、プラットフォームの継続性にコミットしています。性能はもとより機能についても最新テクノロジーを投入し続けており、最新モデルの『IBM z17』ではコアあたり最大8個のオンチップAIプロセッサーを搭載できるなど、新たな業務ニーズにも柔軟に対応できます。もちろん可用性や堅ろう性にも定評があり、ミッションクリティカルなシステムの移行先として、現時点ではIBM Zが最適な選択肢だと考えています」(圓尾氏)

 注目すべきはハードウェアの進化だけではない。ソフトウェアへの投資が継続していることも重要なポイントだ。

 「特に重視するのは、昨今の高度化・悪質化するサイバー攻撃を想定したセキュリティ対策への追従です。これが可能なのはソフトウェア開発が継続的に行われているからに他ならず、企業は安心してメインフレームを使い続けられます」(中尾氏)

 IBM Zを対象とした「メインフレームtoメインフレーム」のリホストは、時間が限られた中でも安全かつ短期間で目的を達成できる現実解となる。

自動変換ソリューション「Caravel zShift」が下げるリホストの壁

 とはいえ、これまで国産メインフレーム上で運用していた基幹システムを、そのままIBM Zに持ち込んで動かせるわけではない。予想されるコンバージョン作業の困難と重い負担もまた、多くの企業が足踏みする要因となっていた。

 そこに登場したのが、スペインの企業BASE100と、その日本総代理店であるトランスウェア、そしてキンドリル、SCSKの4社が共同開発した「Caravel zShift」だ。国産メインフレーム上で稼働しているアプリケーションやデータベース、JCLについて、IBM Zへのリホストを支援する自動変換ソリューションだ。変換されたこれらの資産は「z/OS」上に必要なミドルウェアをセットアップした環境に実装して動作させられる。IBM Z環境の準備からセットアップまで、一貫してカバーするのが特徴だ。

 対応言語の広さも注目に値する。COBOLで記述されたソースコードを変換するツールは世の中に数多くあるが、Caravel zShiftはそれ以外にもアセンブラやPL/Iのソースコードも自動で変換できる。

 「人手で行えば膨大な工数がかかる作業を大幅に効率化し、コストと時間を圧縮することで、リホストに対するお客さまのハードルを下げられます」と圓尾氏は説明する。

 ただ、それでも不安は残る。自動変換といっても期待したほどの精度は得られず、結局は人手の修正に追われるのではないかという懸念を抱く企業が多いのも事実だろう。

 そこで強調しておきたいのが、BASE100の実績だ。コアとなる同社の「Caravelシリーズ」はメインフレーム上のレガシー資産をJavaベースに自動変換するもので、グローバルの多くのプロジェクトで採用され、成果を上げてきた。

 「既存資産を解析してソースコードを自動変換するテクノロジーは、すでに成熟したレベルにあり、おおむね95〜97%の変換率を達成しています。今回、私たちが共同開発したCaravel zShiftは、そうしたBASE100の変換ツールの出力先をJavaだけではなく、COBOLなどの言語にも対応できるよう機能を追加したものです。『実績豊富なテクノロジー同士』の組み合わせであり、十二分な変換精度を確保できると見込んでいます」(中尾氏)

多様なニーズを取りこぼさない4社共同開発体制

 Caravel zShiftの共同開発の座組に、キンドリルとSCSKの2社が加わった意義も大きい。

 キンドリルは、2021年にIBM のインフラストラクチャーサービス部門が独立した世界最大級のITインフラストラクチャー・サービスプロバイダーであり、IBM ZのハードウェアからOS、ミドルウェアまで熟知している。

 一方のSCSKは、50年以上にわたりコンサルティングからビジネスに必要なITサービスを提供する総合ITサービス企業だ。メインフレーム領域においても豊富な実績を有し、IBM Zの構築・運用を、数多く支援してきた。

 メインフレームに関する豊富な経験と高度なノウハウを持つキンドリルとSCSKは、BASE100とトランスウェアによって開発されたCaravel zShiftのプロトタイプに対して、あえて別々に受け入れチェックを行ってきたという。

 「両社それぞれの視点に基づくテストを重ね、課題が見つかれば開発側へフィードバックしてきました」と中尾氏は語る。さらに圓尾氏も、「役割のすみ分けを図るというより、異なる知見を取り入れることで、お客さまの多様なニーズを取りこぼさないソリューションの実現を目指しました」と続ける。

IBM Zリホストを起点にモダナイゼーションへの時間を生み出す

 満を持して完成したCaravel zShiftを活用し、IBM Zへの移行に踏み切ることで得られるもう1つの効果は、ブラックボックス状態にあった既存資産のシステム仕様の"見える化"だ。

 「自動変換のプロセスで、ソースコードやモジュール間の依存関係、デッドコードなどを明らかにできるため、移行計画が立てやすくなります」(圓尾氏)

 このメリットをいち早く享受するために、「リホスト」の選択が効果的だ。システム移行に際しては、つい「あれも、これも」と多くの要件を盛り込みがちだが、結果として仕様がなかなか定まらず、プロジェクトはどんどん後ろ倒しになってしまう。

 「決して欲張ってはいけません。まずは基盤を『移すこと』が最優先であり、リスクを最小限に抑えた、基幹システムの継続稼働を実現できます」(中尾氏)

 結果として、その先のモダナイゼーションをじっくり検討する時間的余裕を生み出せるのだ。リホストはゴールではなく、企業のITインフラ全体をあるべき姿に近づけるための最初のステップなのだ。

 もちろんキンドリルやSCSKも、そうした企業の取り組みに寄り添ったサポートを提供していく考えだ。

 「キンドリルジャパンはコンサルティングに注力し、どういったITアーキテクチャが最適なのか、お客さまと共に将来ビジョンを描きます。また、クラウド型メインフレームサービス『zCloud』や、IT運用自動化のための統合プラットフォーム『Kyndryl Bridge』を活用し、複数のクラウドやオンプレミスのデータセンターに分散するワークロードを一元管理するなど、お客さまのITインフラ変革をエンドツーエンドで支援していきます」(中尾氏)

 「SCSKでは、ホスティングをはじめとするデータセンターサービス『netXDC』や各種クラウドとの接続サービス『SCNX』、メインフレームのマネージドサービス『MF+』など多様なアセットを用意しており、ハイブリッドで組み合わせて提供可能です。お客さまがIBM Zにリホストした後も、10〜20年と長期的にお客さまと共創し、最適なITインフラ環境の実現に導いていきます」(圓尾氏)

 先述のように、国産メインフレームを取り巻く環境は大きな転換期を迎えている。時間は残されていないだけに、悩んでいる余裕はない。Caravel zShiftを活用した低リスクかつ効率的なIBM Zリホストを決断し、重要な基幹システムの将来にわたる継続性を確保した上で、一日も早く次のステージに向かうことが得策だ。

本稿はキンドリルジャパンの寄稿記事を編集部が再構成したものです。



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提供:キンドリルジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年10月10日

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