楽天モバイルは7月3日に、データ通信に特化した「Rakuten最強プラン(データタイプ)」の提供を開始しました。
ここでは、音声通信に対応した通常プランと比べて、どういった条件が違うのか改めてポイントをチェックしていきます。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
楽天モバイルは6月から、国内のパートナー回線エリアにおける通信量制限を撤廃した「Rakuten最強プラン」を提供しています。今回解説する「Rakuten最強プラン(データタイプ)」は、同社が7月3日から提供している通信プランであり、サービス内要が少し異なります。
同プランは、データ通信(SMSの送受信を含む)専用の通信プランであり、電話番号を用いた標準の電話アプリでの音声通話や、「Rakuten Link」アプリでの利用などには対応していません。つまり、通話機能を利用するには、「LINE」アプリなどの通話機能などを活用する必要があり、119番などの緊急通報を利用できないことは理解しておきましょう。また、キャリア決済機能や「楽メール」(キャリアメール)の利用も対応していません。
一方で料金設定は、音声通話に対応した「Rakuten最強プラン」と変わりません。同プランの月額料金は、利用した通信量によって変動する段階定額制であり、3GBまでが1078円(税込、以下同)、3GB〜20GBまでが2178円、20GB超過後が3278円とされています。
そして何より「Rakuten最強プラン(データタイプ)」を契約可能なユーザーは、「楽天カード」の会員に限られます。一見、何がメリットかわかりづらい印象です。
「Rakuten最強プラン(データタイプ)」では、申し込みの手軽さが強調されています。「楽天カード」の所有者は、申し込みページから数ステップの簡単な手順で契約できます。審査状況に問題がなく、eSIMに対応した端末ならば即時開通も可能です。
具体的には、楽天モバイルや、楽天市場、楽天カード、楽天ペイなどの各公式ページやアプリから、申し込みページへと遷移すると、申し込みに必要な情報が自動入力される仕組みになっており、ほぼワンクリックで手続きが完了することがうたわれています。ただし、ワンクリックでの申し込みを実現するには、支払い方法を「楽天カード」決済に設定していたり、契約者が18歳以上であるなどの条件を満たす必要がある点には留意が必要です。
2023年秋頃からは「Rakuten最強プラン」へ簡単にアップグレードできる手続きも用意される予定です。
「Rakuten最強プラン(データタイプ)」は、通常の「Rakuten最強プラン」と同じく、楽天ポイント取得における優遇施策の対象です。ポイントの倍率も変わりません。
具体的には、楽天市場で買い物をした際にポイント取得率がアップする「SPU(スーパーポイントアップ)」プログラムにて、取得できるポイントが「+2倍」にアップします。また、所定のポイント数を獲得するなどして「ダイヤモンド会員」になっている場合には「+3倍」にアップします。
7月3日から「【最強プラン(データタイプ)お申し込み&アンケート回答特典】 初月3GB分実質無料」キャンペーンも実施されており、「Rakuten最強プラン(データタイプ)」を申し込み、かつ申し込み後の翌月末までにアンケートに回答した場合、1081ポイントの楽天ポイントが還元され、初月の3GB相当が実質無料となるとなります。契約を検討する場合には、ぜひ回答しておくと良いでしょう。
※終了日は未定。実際の実施状況については楽天モバイル公式サイトをご確認ください
競合として、もしMNOのオンライン専用プランを挙げるならば、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、頻繁に通信を行う場合にお得です。特に、月に3GB以上の通信を利用する場合に、競合と比較しても料金面でのメリットが大きいと言えます。
例えば、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」ならは、月3GBまで使える月990円のプランと、月20GBまで使える月2728円のプランが展開されています。「Rakuten最強プラン(データタイプ)」は、データ通信専用ではあるものの、月3GBまでが1078円、3GB〜20GBまでが2178円などで運用できます。
MVNOが提供するeSIMタイプのデータ通信専用プランを競合とみなすならば、IIJmioの「データプラン ゼロ(eSIM)」などが挙げられるでしょうか。
こちらのプランは、月額料金が165円で、最大10GBまで、1GBずつ有料でチャージしていく仕組み。例えば月3GBを利用する場合なら、1485円(月額料金165円+1GBまでの追加データ330円+2GBから10GBまでの1GBごとの追加データ495円の2GB分990円)です。サブの通信手段として回線を維持するには良いプランですが、継続的にある程度の通信量を利用することを考えると、「Rakuten最強プラン(データタイプ)」の方がお得なのが分かります。
「Rakuten最強プラン(データタイプ)」を申し込むには、そもそも楽天カードの所有者である必要があります。そのため、楽天カードを申し込んでいて、楽天市場など楽天ポイントの経済圏を意識的に使っている人に適しているでしょう。
ただし、先述したように音声通話や緊急通報、キャリア決済、キャリアメールなどは対応していません。そのため、私生活で使うメインのスマートフォンで使うには、あまり適していないと言えます。
一方、eSIMに対応したタブレットやパソコンを持っていて、その通信手段として契約するならば、MAXで月3278円の段階定額制通信プランとして、安心して利用しやすいでしょう。
つまり、楽天カードを持っていて普段から楽天市場などを使っており、eSIM対応のPCやタブレットで普段から一定量以上の通信を利用するという人であれば「Rakuten最強プラン(データタイプ)」を検討してみる価値が大いにあると思います。
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