「X WindowをWindows上で使いたい〜VNC編〜」Tipsでは,独自の専用ソフト「VNC」を利用してWindows上でX Windowを利用する方法を紹介した。今回は,Xプロトコルを利用してWindows版Xサーバソフトを使ってみることにしよう。ここではアステックのPC Xサーバ「ASTEC-X」を例に挙げた。同社では,Webサイト上に体験版も用意しているため手軽に試してみるとよいだろう。これで,比較的CPUパワーのないLinuxマシン上のためX Windowを動かすことを避けていた場合でも,Windows上でX Windowを使うことができる。
ASTEC-Xを利用するには2つの方法がある。順番に説明しよう。
・REXECを利用する方法
まず最初に,inetdの設定ファイル「/etc/inetd.conf」の中でexec行がコメントアウトされている場合は,次のように有効にしてからinetdを再起動させよう。
# vi /etc/inetd.conf 〜前略〜 # Shell, login, exec, comsat and talk are BSD protocols. # #shell stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.rshd #login stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.rlogind exec stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.rexecd #comsat dgramudp wait root /usr/sbin/tcpd in.comsat 〜後略〜 続いてinetdを再起動させる # /etc/rc.d/init.d/inet restart Stopping INET services: [ OK ] Starting INET services: [ OK ] |
次にWindows上でASTEC-Xの環境設定を行う必要がある。ASTEC-X(体験版)のインストール後,同グループ内にあるASTEC-Xコントロールパネルを起動させよう。
「XDMCP/REXEC」タブを選択し,下写真のように「REXECを使用する」にチェックする。下のコマンドには「xterm -display %d」と記述されているだろうが,xtermコマンドをフルパスで指定しておくとよい場合がある。Linuxにログインしているシェル上で次のようにして確認しよう。
# which xterm /usr/X11R6/bin/xterm |
このパスを,「XDMCP/REXEC」タブ内の「コマンド」設定に反映させる。
/usr/X11R6/bin/xterm -display %d |
REXECをクリックして,コマンドのxtermパスを補完しよう
これで準備は完了だ。ASTEC-Xを起動させると,Windowsのデスクトップ上に次のようなウィンドウが現れる。ユーザー名,パスワードを入力すればシェルが表示されるはずだ。
ASTEC-Xを起動させると,Windowsのデスクトップ上にログインウィンドウが表示される
ログインするとこのようにシェルが表示される
・XDMを利用する方法
もう1つはXDMを利用する方法だ。これには,Linux上でXDMが起動されている必要がある。確認するためには,現在のプロセス状況を見ればよい。また,ASTEC-Xのコントロールパネルでは,XDMCPを使用するよう設定されていることを確認する。
「XDMCPを使用する」にチェックをつけよう
# ps ax|grep xdm |
これで「xdm」の文字列が含まれたプロセスが確認できない場合,次のように「/etc/inittab」ファイルを編集して,ランレベル5で起動するように変更しよう。
また,「/etc/X11/gdm/gdm.conf」ファイル内の[xdmcp]項目を探し「Enable=」が「1」になっていることも確認する。
# vi /etc/inittab id:5:initdefault: # vi /etc/X11/gdm/gdm.conf [xdmcp] Enable=1 HonorIndirect=0 MaxPending=4 MaxPendingIndirect=4 MaxSessions=16 MaxWait=30 MaxWaitIndirect=30 Port=177 |
以上の設定を終えて,ASTEC-Xを起動させると,Windowsのデスクトップ上に次のようなログインウィンドウが現れる。
このようにログインウィンドウが表示されるはずだ
「ASTEC-X」(Windows版PC Xサーバ) | ||||||
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