メインフレーム(めいんふれーむ)情報マネジメント用語辞典

mainframe / 汎用機 / 汎用コンピュータ

» 2003年08月09日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業の基幹業務システムなどに用いられる大型コンピュータのこと。

 1950年代ごろから商用で使われ始めたコンピュータは当初、事務処理用と科学技術計算用に分かれており、それぞれプログラム言語なども含めて互換性がなかった。

 こうした状況の中、1964年にIBMが「システム/360」というコンピュータを発表し、歴史を変えた。これは事務計算、技術計算、リアルタイム処理などの多用途に利用できるため、この流れを汲むコンピュータは“汎用機”と呼ばれる。なお、1980年代に普及が始まったパーソナルコンピュータ(PC)やワークステーションも“汎用”ではあるが、特に汎用機とはいわない。大型のコンピュータとしてはスーパーコンピュータがあるが、これも計算能力に特化しているため、汎用機とはいわない。

 1960年代にはコンピュータといえば大型機だったので“コンピュータ”以上の呼び名はなかったが、その後小型のコンピュータが登場するにつれ、“メインフレーム”という通称が生まれた。

 メインフレームの本体は巨大な装置で、通常は専用のコンピュータ・ルームに納められている。これに通信回線を介して端末が接続され、ユーザーはここから操作を行う。端末は処理装置や記憶装置などは搭載しておらず単なる入出力装置である。ただし、1990年ごろからは専用端末ではなく、PCやワークステーションで端末をエミュレートして使うことも多い。メインフレームのシステムは、データの処理や保存をすべて本体が行うという中央集中型のアーキテクチャになっている点が1つの特徴である。

 近年、PCサーバやUNIXサーバの性能向上により、ハードウェアの処理性能ポテンシャルとしては必ずしも高性能とはいえなくなってきているが、電源やCPU、記憶装置などのほとんどのパーツが多重化されており、対障害性能に優れていることから、銀行のオンラインシステムのような大量のトランザクションを高速かつ安全に実行する必要のある用途では、ユーザーのニーズは根強い。メインフレームを使ったシステムを指して、レガシーシステムということがある。

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