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» 2005年01月21日 00時00分 公開

情報マネジメント用語辞典:デル・モデル(でる・もでる)

デル・ダイレクト・モデル / Dell's direct model

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 コンピュータ製造販売の大手デルが展開している、直接販売と受注生産を組み合わせたビジネスモデル。顧客からのオーダーを受け、その要望に合わせて外部サプライヤから部品を調達して、カスタマイズした製品を生産、流通/小売業者を介さずに直接販売する。

 顧客にとっては、自分が望む仕様の製品を手に入れることができ、流通業者の排除により中間マージンがなくなることで価格低減が期待できる。製造企業にとっても流通在庫や完成品在庫がゼロになり、顧客が望まない(売れない)不良在庫を抱えるリスクをなくすことができるというメリットがある。

 デルにとって「ダイレクト・モデル」は、同社オリジナルのビジネスモデルであると同時に、顧客志向という企業理念を示す言葉でもあり、同社は「創業時からデルのすべての事業活動の根幹」だとしている。しかし、具体的なビジネスモデルとしてのデル・モデルは時代とともに変わってきている。

 デルは1984年の創業時から通信販売を軸にしていた。一時は小売店・量販店にも製品を卸していたが1990年代初頭に撤退し、直販専業となった。1990年代の中ごろには、創業者マイケル・デルが「ダイレクトモデル バージョン1.1」と呼ぶ、サプライヤとのSCMによる仕掛品や部品在庫の抑制にも着手、2004年1月期末現在、在庫日数3日を実現している。

 外部資源(パートナー企業)の活用も積極的に進め、部品調達以外にも組み立てやテクニカル・サポートも大部分をアウトソースしている。マイケル・デルはこれを「バーチャル・インテグレーション」と呼んでいる。

 1996年にはインターネットによる販売専用サイトを開設、顧客が必要とする機能や仕様に合わせて製品を生産するBTOが広く知られるようになった。デルの顧客には大口の企業ユーザーが多いが、企業顧客に向けては「プレミアページ」と呼ばれる個別ページを設定し、その会社で必要な機種だけを選択可能にするといったことができるようになっている。

 さらに顧客のコンピュータ購入状況を管理することで、コンピュータの調達から運用まですべてのフェイズで、顧客へのサービス提供を目指している。

 デル・モデルは先進的なビジネスモデルとして、内外の研究者にたびたび取り上げられている。これらの分析によれば、当初のモデルでは流通業者を排除した“中抜き製造業”というとらえ方が多かったが、バーチャルインテグレーションの進化により、近年では顧客(コンピュータ・ユーザー)に替わって、部品サプライヤ、アセンブラ、ロジスティクスなどのさまざまな業者から最適な製品とサービスを組み合わせて代理購買/調達を行う企業だと定義されるなどしている。

参考文献

▼『デルの革命――「ダイレクト」戦略で産業を変える』 マイケル・デル、キャサリン・フレッドマン=著/国領二郎=監修/吉川明希=訳/日本経済新聞社・日経ビジネス人文庫/2000年11月(『Direct from Dell: Strategies that Revolutionized an Industry』の邦訳)


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