PRojects IN Controlled Environments, 2nd version
英国商務局(OGC : Office of Government Commerce)が開発したプロジェクトマネジメントの方法論。プロジェクトの組織およびマネジメント、コントロールをカバーしており、ITプロジェクトのほか、建築プロジェクトなど各種のプロジェクトマネジメントに適用される包括的なガイドラインになっている。
PRINCE2は、統一された手順、用語、ドキュメントを共有する高度に標準化されたプロジェクトを実現するものとして定義されている。PMBOKと同様にプロセスベースの方法論で、8つのハイ・レベルのプロセスからなる。
最初のリビジョンであるPRINCEは、英国政府官公庁のITプロジェクト管理基準として、1989年に英国中央コンピュータ・電気通信局(CCTA:Cental Computer and Telecommunication Agency)によって公表された。これは政府系ITプロジェクト(ソフトウェア開発)のためにスキーム・諸手続を標準化したものだったが、早くからIT以外の分野にも使われ、また民間でも使用例が相次いだ。そこでCCTAでは1993年からより汎用的に利用できる拡張リビジョンの開発を始め、1996年にPRINCE2として完成した。なお、CCTAは2000年に設立されたOGCに統合され、現在はOGCがPRINCE2を所有している。
PRINCE2著作物は国家著作権(crown copyright)が設定され、許可なしのコピーや出版、改変はできないが、PRINCE2の内容を自社の業務に適用することに関しての制限はない。PRINCE2の教材やプロジェクト遂行マニュアルを販売するのはOGCから分割民営化した公共刊行物出版(TSO:The Stationery Office)である。また、コンサルタントなどの訓練や試験などは民間のAPMグループが担当する。
英国では政府との取引にPRINCE2メソッドの利用を義務付けているほか、民間の各種分野でもプロジェクトマネジメントのデファクト・スタンダードとして普及している。近年では、英国の国家戦略としてPRINCE2の国際的デファクト・スタンダード化を推進しており、ヨーロッパ諸国やシンガポール、香港など、50以上の国や地域で広く使われている。
また、同じくOGCが開発したITILにおいても、プロジェクトの進め方としてPRINCE2を前提としており、ITILの「サービスマネジメント導入計画立案」ではITIL導入プロジェクトの管理にPRINCE2の採用を推奨している。
▼ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
▼PMBOK(the project managementbody of knowledge)
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