本稿は、ITプロジェクトポートフォリオ管理(PPM)の上位レベルの概要を解説し、プロジェクト・ポートフォリオ管理ベンダ市場全体について考察する。その後、PPMインプリメンテーションの成功率を高め、このソリューションを最大限に活用するための手順の指針を示す。
ここ2年ほど、地域分散型ビジネスと、情報、営利活動、そして文化交流が実現するか、場合によってこれらが情報や通信技術から生まれる世界における生活の影響に関する話を定期的に聞くようになってきた。Thomas Friedmanは自身のベストセラー「The World is Flat: A brief history of the twenty-first Century」[注1]で、「もはや地理は影響しない」というもっともらしい概念を示している。Friedmanがいいたいのは、どのような規模の会社でも開拓できるグローバルなビジネスチャンスをITが切り開いた、ということだ。このように、今日の技術は企業が競争を繰り広げる市場を平均化、あるいは平坦化してしまったのだ。
この平らな世界で企業が効果的かつ効率的に戦うためには、自社のIT投資を最大限に活用する必要がある。ITはもはや単なる1部門ではなく、ビジネスの成長と存続に欠かせない重要な手段となっており、その機能は企業全体に劇的な影響を与えることがある。
ITの複雑性とかつてない重要性を考慮し、成熟したITプロジェクトポートフォリオ管理戦略に価値を見いだす企業が増えつつある。この関心の高まりを受けて、市場ではITポートフォリオ管理に関する多数の最優良事例、記事、および書籍が入手できる。本稿の大半は、IT PPMや、PPM戦略配備の価値をIT幹部に説得するという一般的な内容になっている。しかし、筆者が顧客とPPMについて意見交換した経験からいえば、多くの人はPPMのすべてを本当には理解していない。
本稿は、ITプロジェクトポートフォリオ管理の上位レベルの概要を解説し、PPMベンダ市場全体について考察してみる。その後、PPMインプリメンテーションの成功率を高め、このソリューションを最大限に活用するための手順の指針を示す。
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