情シス部と委託先企業との役割分担は?情シス部のリバイバルプラン(3)(1/2 ページ)

前回は、情報システム部のリバイバルプランを考えるためには、まず、事業活動における情報システムの位置付けを明確にし、情報システムに関する業務機能を明らかにする必要があることから、これらをUISSを活用して検討する方法を紹介した。今回は、業務機能を情報システム部とアウトソーサとの間でどのように役割分担すべきかを検討する。

» 2006年08月31日 12時00分 公開
[井上 実,@IT]

 情報システムに関する業務機能の役割分担を考えるためには、人材ポートフォリオを作成して人材ギャップを明確化し、人材ギャップ解消策の1つとしてアウトソーサ(委託先企業)を活用する必要がある。これらの方法を紹介する。

多様化するIT人材

 情報システム部が、情報システムに関するすべての業務機能を担当していた1960年代や1970年代のIT人材は、SEとプログラマしかなく単純であった。しかし、企業の事業活動における情報システムの位置付けが変わり、範囲が拡大するとともに、高い専門性が必要となり、人材像は専門分化し多様化していった。

 このような状況に対応するため、UISSにおいては13種類の人材像を、ITSSにおいては11職種35専門分野の人材像を定義するとともに(図表1、2参照)、それらの人材像が担当する業務機能を定義している(図表3、4参照)。

ALT (図1)UISSのキャリアフレームワーク(クリックで拡大)
ALT ((図2)ITSSのキャリアフレームワーク(クリックで拡大)
ALT ((図3)UISSの人材像とタスクの関係(クリックで拡大)
ALT ((図4)ITSS IT投資の局面と活動領域の関係(クリックで拡大)

 このように、現在の情報システムは、専門性の高い多様な人材を必要としているため、情報システム部でこれらの人材をすべて育成し、内部人材で賄うことが難しくなってきている。そのため、アウトソーサとの適切な役割分担は必要不可欠な時代になったといえる。

 しかし、過度な外部依存は、情報システム部の弱体化の要因となることは、1990年代以降の情報システム部の歴史が証明している。

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