それでは、上記のように取得したデータをどのように利用すればネットワーク構築に役立ち、データセンターに最適なネットワーク構造を作れるかをお話ししましょう。
まずは図1をご覧ください。サーバが本社に集中しており、これらに対して本社以外のいくつかの事業所からネットワーク経由で接続しているケースを模式的に表わしてみました。図中の矢印はサーバへのアクセスを表わしており、青い矢印はアクセスが多くトラフィックが少ないケースを、赤い矢印はアクセスは少ないがトラフィックが多いケースを表わしています。
このネットワークでは、
ということが把握できます。
問題となりそうなポイントをいくつか挙げてみましょう。
このようなことから、以下のようにネットワークを構築すると効率が良くなると思われます。
この結果を図2に示しました。
今回は、データセンターまでの接続については、インターネット経由でVPNを利用することにしましたが、イーサネット専用線などの廉価なサービスを利用することで回線コストを減らしながら外部からのアクセスをさせないというセキュリティを考慮した構成も可能です。
このように、アプリケーションごとのトラフィックとアクセス数を適切に把握し、そのアクセス体系を分類していくことで、データセンターに移設したほうが良いデータやサーバ、アプリケーションが分かってきます。
次回は、実際にデータセンターを利用するにあたり、どのようなデータセンターサービスがあるのかをご紹介していきたいと思います。
▼著者名 近藤 邦昭(こんどう くにあき)
1970年北海道生まれ。神奈川工科大学・情報工学科修了。1992年に某ソフトハウスに入社、主に通信系ソフトウエアの設計・開発に従事。
1995年ドリーム・トレイン・インターネットに入社し、バックボーンネットワークの設計を行う。
1997年株式会社インターネットイニシアティブに入社、BGP4の監視・運用ツールの作成、新規プロトコル開発を行う。
2002年インテック・ネットコアに入社。2006年独立、現在に至る。
日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)の会長も務める 。
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