ECM(いーしーえむ)情報マネジメント用語辞典

enterprise content management / エンタープライズ・コンテンツ・マネジメント

» 2006年10月24日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業・組織が保有する文書やコンテンツを組織的・統合的に登録・保存・管理・利用するというコンセプト、ないしはそれを実現するための技術やシステムのこと。

 企業や組織における文書管理の歴史は極めて古いが、文書データ自体が電子化・機械化されるのは1980年代ごろからで、初期にはスキャナやOCRなどで紙データを読み取り、光ディスクに格納する光ファイリング・システムやCOLD/ERM(computer output to laser disk/enterprise report management)などの専用機ソリューションが登場する。これとは別の流れとして1990年代には企業内・グループ内のコラボレーションワークを支援するグループウェアの普及が始まり、文書データ・ファイルの共有が行われるようになった。

 しかし、この間にMicrosoft OfficeなどのPCアプリケーションの普及などもあって、企業内の情報・コンテンツの量は爆発的に増加、種類やファイル形式も増えたこともあり、情報を効率的に共有・管理・運用することが難しくなってきた。

 こうした中、ドキュメント管理・グループウェア・Webコンテンツ管理・記録管理・デジタルアセット管理など、従来別々に提供されていたコンテンツ管理の機能を総合的に取り扱うECMという概念が2000年ごろに登場した。ECMに関する国際団体であるAIIMインターナショナルでは、「ECMとは、組織のプロセスに関連するコンテンツや文書を収集・管理・蓄積・保護・配布するための技術、ツール、手法」と定義している。

 ソフトウェア製品としては、一般にコンテンツの登録・管理・検索・配布などの基本機能を有するが、ほかに入力支援、デジタル複合機との連携、アクセスコントロール、ライフサイクル管理、アーカイブ、監査証跡、タイムスタンプ、バージョン/リビジョン管理、ワークフロー管理、電子メールとの統合、パーソナライズ、閲覧デバイスのマルチ対応などの機能を持つものもある。

 最近では日本版SOX法などで業務の文書化が必要であることなどから、ECMに対するニーズが高まっている。

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