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» 2007年08月14日 00時00分 公開

ICB(あいしーぴー)情報マネジメント用語辞典

IPMA competence baseline / IPMAコンピタンスベースライン

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 各国のプロジェクトマネージャ資格認定制度の水準を統一するため、プロジェクトマネージャの業務遂行能力を構成する知識・経験・資質などを定義したコンピテンシー標準のこと。国際プロジェクトマネジメント協会(IPMA)が制定・発行した。

 米国PMIのPMBOKガイドがプロジェクトマネジメント・プロセスを中心に組み立てられているのに対して、ICBは知識や経験、個人的資質を体系化したものとなっている。これはプロジェクトマネージャ資格の認証基準として作られたものであるためで、プロジェクト遂行の具体的手順やマネジメントプロセスについては各国・各社・各人で確立するものとされる。

 2006年に発行された「ICB Version 3.0」は、「技術」「行動」「状況」の3つに分けられた46のコンピタンスエレメントで構成される。このエレメントごとにプロジェクトマネージャ(およびその希望者)の知識と経験を、それぞれ0から10のスケールで能力判定するようになっている。

技術コンピテンスエレメント
1.01 プロジェクトマネジメントの成功
1.02 利害関係者間
1.03 プロジェクトの要求と目的
1.04 リスクと機会
1.05 品質
1.06 プロジェクト組織
1.07 チームワーク
1.08 問題の構造
1.09 問題の原因
1.10 スコープと提供物
1.11 時間とプロジェクトフェイズ
1.12 リソース
1.13 コストとファイナンス
1.14 調達と契約
1.15 変更
1.16 統制と報告
1.17 情報と文書
1.18 コミュニケーション
1.19 開始
1.20 終了
行動コンピテンスエレメント
2.01 リーダーシップ
2.02 関与と動機付け
2.03 自己統制
2.04 発言力
2.05 リラクゼーション
2.06 開放性
2.07 創造性
2.08 結果志向
2.09 能率
2.10 コンサルテーション
2.11 交渉
2.12. 対立と危機
2.13 信頼性
2.14 価値認識
2.15 倫理感
状況コンピテンスエレメント
3.01 プロジェクトの方向性
3.02 プログラムの方向性
3.03 ポートフォリオの方向性
3.04 プロジェクト、プログラム、ポートフォリオの実施
3.05 常設組織
3.06 ビジネス
3.07 システム、プロダクトおよび技術
3.08 人事管理
3.09 保健、保障、安全および環境
3.10 ファイナンス
3.11 リーガル
「ICB Version 3」の46コンピテンスエレメント(「IIPMA Certification Yearbook 2006」を参考に制作。公式の日本語訳ではない)

 IPMAは形式的本拠をスイスに置く非営利団体で、世界各国のプロジェクトマネジメント団体(NA:ナショナルアソシエーション)が加盟する連盟組織である。加盟しているのは欧州の団体が中心だが、インド、中国、韓国のプロジェクトマネジメント団体が含まれる。なお日本の団体では、エンジニアリング振興協会(ENAA)がIPMAと一般協力協定を締結しているが加盟はしてない。

 欧州プロジェクトマネジメント界では1980年代後半からプロジェクトマネージャ能力検定への動きがあり、IPMA傘下団体である英国プロジェクトマネジメント協会(APM)が1992年にAPM BoKを制定、資格制度をスタートした。これを手本に欧州各国の団体がプロジェクトマネージャ標準ガイドラインおよび資格制度作りに着手すると統一標準の要望が出され、IPMAが1993年から各国制度を調整する活動を開始した。IPMAは主要団体である英国・スイス・ドイツ・フランスの制度を参考に、1998年にプロジェクトマネージャ資格制度案および認証基準である「ICB Version 1」を公開、各団体のコメントを受けて、翌年に「ICB Version 2」を初めて発行した。その後、マイナーバージョンアップを経て、2006年にはVersion 3が発行されている。

 ICBは国別ベースラインの水準を統一するためのものであり、各NAはICBに準拠して自国ベースラインであるNCB(National Competence Baseline)を作成する。IPMAは国別の文化・風土を尊重し、NCBに一部独自の要件を加えたり、削除したりすることを認めている。さらに各NAはIPMAの基準に基づいて自国の資格制度を制定し、試験や面接を自国語で実施する。

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