日本版SOX法 実施基準HTML版[IT関連部分](9/9 ページ)

» 2007年08月30日 12時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]
前のページへ 1|2|3|4|5|6|7|8|9       

8. 「ITに係わる業務処理統制」の概要とその評価

p.53
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準
I. 内部統制の基本的枠組み
2. 内部統制の基本的要素
(6)IT(情報技術)への対応
[2] ITの利用及び統制
〔ITの統制〕
ロ.ITの統制の構築
b.ITに係る業務処理統制

 ITに係る業務処理統制とは、業務を管理するシステムにおいて、承認された業務がすべて正確に処理、記録されることを確保するために業務プロセスに組み込まれたITに係る内部統制である。

 ITに係る業務処理統制の具体例としては、以下のような項目が挙げられる。

  • 入力情報の完全性、正確性、正当性等を確保する統制
  • 例外処理(エラー)の修正と再処理
  • マスタ・データの維持管理
  • システムの利用に関する認証、操作範囲の限定などアクセスの管理

 これらの業務処理統制は、手作業により実施することも可能であるが、システムに組み込むことにより、より効率的かつ正確な処理が可能となる。


p.82
財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準
II. 財務報告に係る内部統制の評価及び報告
3. 財務報告に係る内部統制の評価の方法
(3)業務プロセスに係る内部統制の評価
[5]ITを利用した内部統制の評価
ニ. ITを利用した内部統制の整備状況及び運用状況の有効性の評価
b.ITに係る業務処理統制の評価

 経営者は、識別したITに係る業務処理統制が、適切に業務プロセスに組み込まれ、運用されているかを評価する。具体的には、例えば、次のような点について、業務処理統制が有効に整備及び運用されているかを評価する。

  • 入力情報の完全性、正確性、正当性等が確保されているか。
  • エラーデータの修正と再処理の機能が確保されているか。
  • マスタ・データの正確性が確保されているか。
  • システムの利用に関する認証・操作範囲の限定など適切なアクセス管理がなされているか。

p.85
財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準
II. 財務報告に係る内部統制の評価及び報告
3. 財務報告に係る内部統制の評価の方法
(4)内部統制の有効性の判断
[3] ITに係る内部統制の有効性の判断
ロ.ITに係る業務処理統制に不備がある場合

 ITに係る業務処理統制に不備がある場合には、業務プロセスに係る内部統制に不備がある場合と同様に、その影響度と発生可能性の評価を行う。

 ITに係る業務処理統制のうち、人とITが一体となって機能する統制活動に不備がある場合に、経営者は、その不備の内容が、人に関する部分から生じているものなのか、それともITに関する部分から生じているものなのかを識別する必要がある。ITに関する部分から生じている場合には、同じ種類の誤りが繰り返されている可能性があることに留意する。


この項のサマリー(編集部)

 「ITに係る業務処理統制」とは、業務プロセスに組み込まれたITに係る内部統制である。

 具体例としては「入力情報の完全性、正確性、正当性等を確保する統制」「例外処理(エラー)の修正と再処理」「マスタ・データの維持管理」「システムの利用に関する認証、操作範囲の限定などアクセスの管理」などがある。

 「ITに係る業務処理統制」は手作業により実施することも可能だが、システムに組み込むことにより、より効率的かつ正確な処理が可能になる。

前のページへ 1|2|3|4|5|6|7|8|9       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR