業務の構成単位である作業の粒度を考えるに当たって、「そもそも業務とは何か」を考えたい。情報化された現代において業務とは、製造現場であっても「情報」の加工である。情報は伝達され、徐々に加工されて、業務プロセス上のアウトプットに成型されていく。情報の加工を1つの作業として把握すれば粒度を均一にできるのではないか?
情報は、紙や記憶媒体、音声などによって初めて伝達可能になる。つまり、組織において情報が伝達されるときは必ず、その情報が載った媒体がある。
人間の認識は、「見る、聞く、かぐ、味わう、触る」の五感によって成り立つが、情報化が進んだ現代では、業務プロセスが、「見ることで認識できる媒体上での情報の加工の流れ」としてとらえることができるようになっている。つまり、作業とは「どのような媒体に対して、どのような加工をするのか」、より簡潔にいうと「何を・どうする」で定義することができるのだ。
これを視覚的にも分かりやすい形で業務フローチャートにすると以下のようになる。
いかがだろうか?
前回に利用した具体的な例で考えていこう。例は商社における受発注の一部分である。受発注の業務内容を各担当者にヒアリングした結果が以下である。
この例を従来型の業務フローチャートで表す場合、記載ルールを以下のように定義する。
要素 |
分類 |
ルール |
誰が | 絶対的記載事項 | スイムレーンにより定義 |
どうする | 絶対的記載事項 | 「誰が」のスイムレーン内に作業を枠としてプロットし、枠内にその内容を体言止めで簡潔に記載 |
何を | 補助的記載事項 | それぞれの作業で利用する紙ドキュメント・情報システムなどのうち、重要なものを作業のそばに記号としてプロットし、記号内に名前を簡潔に記載 |
流れを示す要素=どうする |
この定義により作成される業務フローチャートは、次のようになる。
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