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» 2007年12月25日 00時00分 公開

日本にもグリーンITの波がやってきた[Analysis]

[大津心,@IT]

 “グリーンIT”という言葉をご存じだろうか。米国で数年前から流行し始めた言葉で、昨今では欧米のベンダ各社やリサーチ会社などが頻繁に使っている。欧米ベンダなどは数年前から、あの手この手で新製品の消費電力削減や熱効率向上の効果を訴えている。日本でも、秋ごろからかなりこの傾向が強くなってきているようだ。

 1997年12月11日に京都議定書が議決されてから丸10年が経過し、日本でも“エコ”や“地球温暖化”についての議論が格段と増え、話題となった映画「不都合な真実」の影響などもあり、多くの日本人は環境への意識が高まってきているといえるだろう。また、昨今の原油高に由来するガソリンや生活消耗品などの値上げが家庭の財布を直撃したことで、あまりエコに興味のなかった人たちも巻き込むようになった。

 米国では古くから電力会社の規制緩和が進み、電力会社の乱立や再編を繰り返しているため、電気料金の地域格差や会社による料金の違いも顕著で、3倍以上の料金格差があるという。米Yahoo!やGoogleもカリフォルニア州にあるデータセンターを、水力発電所が多く電気料金の安いワシントン州へ移動する予定だ。このように、米国ではITシステムの運用コストにおける消費電力の影響は大きい。

 このような背景から、米国のITベンダ各社は早くから消費電力や排熱量の削減を訴求した製品をリリースし、環境に優しいグリーンITとして展開してきた。最近では、設計段階から熱効率に特に配慮したデータセンターや、屋根に太陽電池を設置するなどIT機器以外でもさまざまな点に配慮した本社ビルを建設する企業も登場している。

 日本メーカーも昔から消費電力削減は“十八番”で、家電製品などを中心に消費電力の少ない製品や環境に配慮した製品を展開。各社自身も環境に配慮した取り組みを実施しており、工場の環境配慮も世界的に高レベルだという。しかし、IT機器の“グリーン化”に関しては欧米メーカーに後れを取っていた。

 しかし、今年に入り、5月にNECが環境への取り組み強化を発表したのを皮切りに、11月以降日立、ソニー、富士通など大手メーカーがこぞってグリーンIT強化を発表。本格参入を発表した。

 このまま原油高が続けば電気代の上昇を伴い、数年後にはITの運用管理コストの50%以上を電気代が占めるという米国の調査結果もある。今後、日本メーカーが十八番の消費電力削減機能で欧米メーカーに追い付き追い越せば、ますます消費電力削減の訴求力が高まっていくことを想定すると、日本メーカーのシェア拡大も見えてくる。このような思惑から、2008年には日本の“グリーンIT化”がますます加速していくはずだ。

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