角川がYouTubeで新事業、グーグルの動画識別技術を活用角川とグーグルの共同発表

» 2008年01月25日 00時00分 公開
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 角川グループホールディングス(以下、角川)は1月25日、YouTubeを利用した新事業を開始すると発表した。同社は傘下の事業会社角川デジックスを中心にグーグルの動画識別技術の実証実験を行ってきたが、今回一定の成果を得たとして、新事業の開始を宣言した。

 2月上旬を目処に、YouTube内で角川ブランドのチャンネル(公式ページ)を開設する。チャンネルは「アニメ」「エンターテインメント」「ムービー」にカテゴリ分けし、それぞれのチャンネルを通じて、同社が著作権を保有するアニメーションや映画を公開する。

 グーグルが開発した動画識別技術によって、著作権を侵害している可能性が高い動画を識別できるようになった。この技術の有効性を検証するにあたり、角川はオリジナル動画(リファレンス動画)とマッチングする可能性のある検証用動画を数千ファイル作成、さまざまなパターンで照合する作業を行った。著作権者の許可なく投稿された動画が、リファレンス動画と一致した場合、その動画をアップロードしたユーザーに対して、著作権侵害を警告する注意がなされる。角川デジックス 代表取締役社長 福田正氏によると「照合率はおよそ90%以上」という。

角川、グーグル写真 角川およびグーグルの関係者

 認証済みの投稿動画には、認証マークを表示することが可能。角川の場合は、同社のシンボルである「鳳凰(ほうおう)」の図柄が表示される。また、認証済みの投稿動画には「In Video Ad」と呼ばれるビデオ広告を流すこともできる。

 グーグルは2007年初頭から、社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)をはじめとした国内24の権利団体とコンテンツの著作権保護について議論を行ってきた。当初、権利者側は手作業による違法コンテンツの削除をグーグルに求めたが、グーグルは「論理的にも、現実的にも不可能」(グーグル 代表取締役社長 村上憲郎氏)と判断、ビデオID動画認識技術の開発による問題解決を提案し、2007年10月にβ版をリリースした。

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