ビジネスオブジェクツ、Flashを採用しUIを強化したBI新製品Flashを使ったウィジェットでブラウザいらずに

» 2008年03月11日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ビジネスオブジェクツは3月11日、BIプラットフォームの最新版となる「BusinessObjects XI 3.0」(以下、BO XI)を発表した。2008年第2四半期から出荷を開始する。Adobe FlashやFlexを採用し、グラフィカルなレポートを実現したほか、ウィジェットとしてレポート表示などができる新製品などが新たに加わった。

 BO XIは、レポーティングやクエリ分析、ダッシュボードなどのビジネスインテリジェンス(BI)向けの機能を統合したBIプラットフォーム製品。主に、レポーティングツールの「Crystal Reports 2008」、分析機能を提供する「Web Intelligence」、ダッシュボードを提供する「Xcelsius 2008」、検索機能を提供する「Polestar」、ウィジェット機能の「BI Widgets」、OLAPデータ操作ツール「Voyager」、モバイル向け「Mobile」、Excelなどからデータを取り込める「Live Office」、ダッシュボードを管理できる「Dashboard Builder」の9製品で構成される。

印藤氏写真 日本ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長 印藤公洋氏

 Crystal Reportsは人気のあるレポーティングツールで、新バージョンでは新たにAdobe FlashやFlexを採用。グラフなどの表現力が増したという。Web Intelligenceでは、過去に実行した分析結果と今回実行した結果の差異部分を表示する「変更箇所のトラッキング」機能を搭載したほか、初めてオフラインでの利用が可能になった。Xcelsiusでは、Adobe Lifecycle Data Services(LCDS)を利用することでデータをプル型でなくプッシュ型で更新することができるようになった。

 また、今回のバージョンでは新たにデスクトップ上でダッシュボード機能などを利用できる「BI Widgets」を搭載した。BI Widgetsは、XcelsiusやWeb Intelligenceのさまざまなドキュメントをデスクトップ上で直接閲覧できるツールで、Webブラウザを立ち上げなくても利用できる点が特徴だ。Adobe Flashを利用してデスクトップに表示しているので、さまざまなGUI操作が可能となっている。

画面イメージ 「BI Widgets」の画面イメージ。Webブラウザを利用しないでも各種ダッシュボードなどを利用できる。Flashを利用しているので、ほぼリアルタイムでデータを更新することも可能だ

 ビジネスオブジェクツは2007年にSAPに買収されて子会社になったことから、SAPとの連携を強化。日本ビジネスオブジェクツ マーケティング部 プロダクトマーケティング スペシャリスト インダルディープ・シング・コラーナ氏は、「SAPとの連携では、主にSAPのBIツールである『SAP BW』との連携を強化した。SAP BWとのアクセスや連携、クエリ連携を強化している」とコメントした。

 日本ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長 印藤公洋氏は、「BIが企業に浸透しない理由には、『ユーザーのスキル不足』や『ツールの利用が難しい』といった点が挙げられる。一方で、『情報を生かしきれていない』という不満も大きい。こういった点から、BO XIによって、すべての情報を単一のプラットフォーム上で、簡単なUIで提供することで、役職者など特定の人物に限定しないすべての社員が使えるBIを目指している」とコメントした。

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