日立製作所は3月26日、同社が持つ横浜のデータセンターを拡張し、3棟目のデータセンターを建設すると発表した。このデータセンターは、同社の省電力化プロジェクトの成果を適用し、世界最高水準の環境配慮型データセンターになる予定だという。
新データセンターは、日立グループが開発した高効率な空調設備や電源設備を全面的に採用し、IT機器の配置などを最適化することで消費電力量を20%削減しているという。地上7階建てで延床面積は1万782平方メートル。2008年4月に着工し、2009年7月からサービスを開始する予定。
同データセンターでは、同社が取り組んでいる省電力プラン「Harmonious Greenプラン」の成果物である省電力サーバなども取り入れることにより、横浜データセンター1号棟と比較して2012年までに消費電力量を最大50%削減するとした。
具体的には、高効率設計の空調設備「FMACS-V」や無停電電源装置「UNIPARA」、変圧器「Super アモルファスXシリーズ」などの電源設備を採用。IT機器の冷却効率を最適化するために、三次元熱流体シミュレータ「AirAssist」を用いて設計したという。また、サーバへの直流電源供給や水冷サーバ、水冷ラックなどにも対応可能な建築構造を採用したほか、日射遮蔽効果によって夏季の温度を最大3度低減するビル屋上緑化を採用した。
将来的には、IT機器のエネルギー負荷に連動して空調の制御を行う技術も開発し、一層の電力削減を目指す。同社では、これらの取り組みによって、データセンターの電力仕様効率を示す指標「PUE」(Power Usage Effectiveness)の「1.6以下」を実現するという。PUEは米国の環境保護庁が推奨する指標で、一般的には2.5程度、効率のよいデータセンターで2.0以下程度といわれている。
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