event-driven process chain / イベント駆動型プロセス連鎖 / イベントドリブン・プロセスチェーン
EPRパッケージ「SAP R/3」などで標準的に使われるビジネスプロセス記述言語。静的な状態を示す「イベント」と、動的なタスクや活動である「ファンクション」の連鎖として、ビジネスプロセスを表す。
ビジネスプロセスにおけるイベント/ファンクションの逐次的な流れ(依存関係)とともに、その論理的(数理論理学的)関係を表すもので、ノードとリンクからなるグラフ表現のほか、宣言型構文規則としても記述できる。
EPCのダイアグラムは、イベント(事象)・ファンクション(機能)・情報オブジェクト(データ)・組織単位という4つのエレメントと、それらの関係を示す制御フローなどで構成される。
EPCの基本は、あるイベントが発生すると対応するタスク(ファンクション)が実行され、その結果として次のイベントが生成されるという形で、プロセスをシーケンシャルに表現する。同時にタスクを実行するのは誰(組織)か、実行するのに必要な情報(データ)は何かを示す。
EPCは1992年に、ARIS(ARchitecture of Integrated Information Systems=統合情報システムアーキテクチャ)フレームワークの一部として、ゲルハルト・ケラー(Gerhard Keller)、マルクス・ナットゲンズ(Markus Nuttgens)、アウグスト・W・シェアー(August-Wilhelm Scheer)によって提案されたもので、ドイツ・SAP AGのERPパッケージ「R/3」(現在は「SAP ERP」)のシステム処理機能を表現する記述モデルとして採用され、広く使われるようになった。
ARISフレームワークやR/3リファレンスモデルでは、プロセスをファンクション、イベント、組織、リソース、データからなるものととらえ、複数の視点で多角的に表現するが、EPCはその中でプロセスモデル(プロセスビュー)を表すもので、各モデルをつなぐ中核的な存在に位置付けられている。
▼『SAP R/3 ビジネス・モデル・テンプレート――ERP導入のために』 トーマス・カレン、ゲハルド・ケラー、アンドリュ・ラッド=著/木村誠=監訳/トッパン/1998年6月(『SAP R/3 Business Blueprint: Understanding the Business Process Reference Model』の邦訳)
▼『SAP R/3――プロセス指向型のERP導入』 ゲルハルト・ケラー、トーマス・トイフル=著/田熊博志=訳/ピアソン・エデュケーション/2000年12月(『SAP R/3 Process Oriented Implementation』の邦訳)
▼『ビジネスプロセス指向のシステム構築――ERP・SCM・CRMなどの戦略的導入』 M・キルヒマー=著/堀内正博、田中正郎=訳/シュプリンガー・フェアクラーク東京/2002年7月(『Business Process Oriented Implementation of Standard Software』の邦訳)
▼UML(Unified Modeling Language)
▼BPMN(Business Process Modeling Notation)
▼IDEF(Integrated DEFinition methods)
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