デグレード(でぐれーど)情報マネジメント用語辞典

degrade

» 2008年06月16日 00時00分 公開

 ソフトウェア開発において、プログラムを手直しした際に修正部分以外の個所で不整合・不具合が発生したり、バージョン管理の手抜かりなどによって以前の状態に戻ってしまい、修正済みだったバグが再発したりすること。

 仕様変更やバグフィックスのためにソフトウェア・プログラムに修正を加えたとき、当該個所は問題なく修正できたものの、ほかの部分に悪影響が出て仕様通りの動作をしなくなったり、システム全体がまったく動かなくなったりすることがある。特に大規模なソフトウェアでは、さまざまな各プログラムが相互に複雑に関係し合っているため、予想できない不具合が発生することが珍しくない。これをデグレード(=降格・悪化・退化)という。日本では縮めてデグレ、あるいはエンバクともいう。

 デグレードを回避策としては、修正部分以外に既存機能が以前のテスト時と同様に動いているかを確認するリグレッションテスト、バージョン管理システムによるソースコード管理などがある。

 なお、RAIDシステムでは、ディスクの故障などによって冗長構成でなくなった状態をデグレード・モードという。

参考文献

▼『ソフトウェア・テストの技法 第2版』 J・マイヤーズ、T・バジェット、M・トーマス、C・サンドラー=著/長尾真=監訳/松尾正信=訳/近代科学社/2006年7月(『The Art of Software Testing: 2nd ed』の邦訳)


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