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» 2008年06月25日 00時00分 公開

日本で「ERP5」の研究開発を加速:Nexedi日本法人は「よりよいスケーラビリティの実現目指す」

[垣内郁栄,@IT]

 「よりよいスケーラビリティの実現を目指す」。オープンソースERP「ERP5」の開発元、NexediでCTOを務め、6月24日に設立が発表された日本法人の代表取締役社長 奥地秀則氏は、日本法人が行う研究開発活動について記者の質問に電子メールで回答した。オープンソースの業務アプリケーションベンダとして注目を集める同社は、日本を単なる製品の営業拠点としてだけではなく、研究開発拠点、新サービスの提供拠点として捉えているようだ。

 Nexediの日本法人は「ERP5エンタープライズ」と呼ぶ、ERP5導入企業に対してのコンサルテーション、トレーニング、カスタマイズ、サポート、保守などのサービスを主な収益源と考えている。奥地氏は「ERPの導入や利用に関わる一切の業務」を提供するとしている。

  ERP5は顧客企業内のデータセンターに設置したサーバで稼働させる方法と、Nexediが用意するデータセンターでホスティングしてネットワーク経由で顧客が利用する方法のいずれかで利用するケースが多いという。日本国内や近隣諸国の企業にホスティングでサービスを提供する場合、「現地に行く方が有利。そして、サポートなどの観点からも、しばしば直接お客様とお会いすることが望ましい」(奥地氏)ことから、日本法人を設立したという。すでに国内のパートナーと話し合いを始めている。

 Nexediの日本法人が外資企業の単なる出先機関と異なるのは、上記のようにサポートやホスティングなどのサービスを直接提供することに加えて、約20万ユーロ(約3354万円)を投じて国内で研究開発を行うこと。日本を始め、その他の国の通貨、商慣習、法制度に合わせた国際化機能の向上と、ERP5のスケーラビリティの向上が研究開発テーマという。

 奥地氏は「(グーグルやアマゾンなど)昨今大規模なユーザー数やデータ量を処理できるストレージシステムが開発されてきているが、まだミッションクリティカルな業務において、セキュリティも含めて、大規模に対応できるシステムは開発されていない」と指摘する。グローバル企業が世界各国で共通して利用しているERPでも、地理や業務プロセスに応じてシステムを分割して処理し、バッチ処理でデータを統合しているのが現状だ。「このような方法ではシステムを併合できないために、システム保守のコストがかさみ、また、リアルタイム性やシステム全体の整合性を保障できないので、運用上の問題も発生している」という。

 日本法人はこのような地理や業務プロセスをまたぐ大規模システムのスケーラビリティについて研究開発を行う予定。Nexedi本社がこれまで行ってきた研究開発を継続し、実用化を目指す。

 日本法人の陣容はまだ未定だが、代表取締役社長の奥地氏のほかにZopeコミッタの田原悠西氏が加わる予定という。

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