無停止型「NonStopサーバ」もブレードに、HPが新製品発表最大4080プロセッサ、8160コアに拡張可能

» 2008年06月25日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月25日、無停止型のブレードシステム「HP Integrity NonStop NB50000c BladeSystem」を発売したと発表した。CPU部分を同社「HP BladeSystem c7000」のエンクロージャに格納することで、従来のNonStopサーバと比較して設置面積を50%にし、性能を2倍にしたという。

 NonStopサーバはコンポーネントやI/Oをすべて二重化した無停止型のサーバで、元々はタンデムコンピュータが開発した。

「HP Integrity NonStop NB50000c BladeSystem」

 新製品のNonStop NB50000cは、CPUモジュールとI/O用のサブシステムである「Cluster I/O module」(CLIM)の2つのコンポーネントで構成される。CPUモジュールはc7000のエンクロージャを利用し、デュアルコアのItanium プロセッサ(1.66GHz)を1基搭載したサーバブレードを1つのエンクロージャに最大で8枚挿すことができる。システム全体では最大255ノードまで拡張することができる。最大構成時のCPU数は4080CPUで、8160コアが稼働することになる。メモリは1CPU当たり8〜48GB搭載できる。

NonStop NB50000cのコンポーネント
システム構成

 CLIMはストレージのI/Oコントローラ、ネットワークのI/Oコントローラを担当する専用のサーバで、AMD Opteronを搭載し、独自のOSが稼働する。汎用性が高く、SASやファイバチャネルのインターフェイス・カードを実装すれば「Storage CLIM」として機能し、HPのストレージ製品である「HP StorageWorks MSA70」やファイバチャネル接続の「HP StorageWorks XP Enterprise Storage」、テープドライブをつなぐことができる。

 また、CLIMにGbitイーサネットのカードを挿すとTCP/IPのコントローラ「IP CLIM」となり、2台で10ポートのGbitイーサネットを扱えるようになる。直接サポートするプロトコルはTCP/IP(v4、v6)とIPSec。SWAN接続などレガシーなプロトコルにも対応する。

 NonStopサーバの特徴である、高速通信ネットワーク「ServerNet」でCPUモジュール間、CPUモジュールとCLIM間を結び、NonStopサーバの「疎結合超並列アーキテクチャを継承する」(HP)という。

ハードウェア構成のイメージ図

 価格は最小構成の場合で7875万円(税込)から。従来のNonStopサーバと比較すると2〜3割値下げしたという。NonStopサーバのユーザーが多い金融や通信の顧客を主なターゲットにする。日本HPの執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏は「日本の顧客はまだまだメインフレームに投資しすぎ。ワールドワイドで日本の顧客は突出してメインフレームに投資している。このことが日本のITのスピードを遅らせる要因になっている面がある。新しいNonStopサーバの投入で新しい展開を生み出したい」と話した。

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