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» 2008年07月28日 12時00分 公開

5分で絶対に分かる:5分で絶対に分かる工事進行基準 (2/6)

[安達裕哉, 新谷健司(トーマツ イノベーション),@IT]

1分 − 工事進行基準とはちょっとずつ「売上計上」すること

 あなたは、受託開発を行っているシステム開発会社の営業担当者だとします。2008年7月に販売管理システムの開発を、10億円で受注しました。開発プロジェクトの期間は2008年8月からの12カ月。2009年7月までにシステムを納品するという契約です。

 それでは2008年7月現在、つまり受注した時点で、この販売管理システム開発案件の決算書上の売上はいくらでしょうか?

 10億円と思われた方、残念ながら間違いです。正解は0円です。

 なぜかといえば、「ソフトウェア開発を受注しただけでは商品を販売したことにならないため、まだ売上にしてはいけない」という決まりがあるためです。このような決算書上(会計上)の売上にすることを「売上計上する」といい、どのタイミングなら売上計上していい、という決まりのことを「売上計上基準」と呼びます。

 一般的な製造業なら製品の出荷や納品、検収の時点で売上計上します。しかし、建築や造船、システム開発などサービスや物品の提供にある程度時間がかかる契約(工事契約といいます)では、「工事完成基準」と「工事進行基準」のどちらかの売上計上基準が採用されます。

ALT 工事完成基準 工事が完成したら一括して売上計上する
ALT 工事進行基準 工事のできた分だけちょっとずつ売上計上する

 さて、なぜいまIT業界で工事進行基準が騒がれているのでしょうか? それは、「2009年4月(3月決算の会社の場合)から始まるソフトウェア開発の売上計上には、原則として工事進行基準を適用しなくてはならない」と決められた(※)からなのです。


※ 企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第18号「工事契約に関する会計基準の適用指針」


 現在、多くのソフトウェア開発会社は、計算方法の簡便性から工事完成基準を適用していますが、今後は原則として工事進行基準に切り替えなければならなくなるのです。

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