パナソニックは11月6日、医療機関の看護師が使うことを想定したタブレット型のモバイルPC「TOUGHBOOK(タフブック) CF-H1」を2009年3月10日に発売すると発表した。TOUGHBOOKの頑丈設計を継承しながら、消毒薬で繰り返し拭くことができる耐薬品性能を持つなど、「欧州中心に100件以上の病院へのヒアリング結果を反映した」(パナソニック)という。
CF-H1はインテルが提唱するヘルスケア向けPCの規格「MCA」(Mobile Clinical Assistant)に準拠した国内で初の製品。キーボードレスのタブレット型でAtomプロセッサを採用。OSはWindows Vista Business SP1で、XPにダウングレードできる。ハードディスクドライブは80GB。IEEE 802.11a/b/gと11nドラフト2.0に対応する。Bluetoothも搭載。本体にはUSBなどのインターフェイスはなく、オプションのクレードルに接続して利用する方法を採る。オープン価格だが、実売想定価格は26万円程度。
これまでのTOUGHBOOKシリーズと同様に現場での利用を考え、耐衝撃、耐落下性能、防塵、防滴性能を備える。加えて院内感染の防止で頻繁に消毒を行う医療現場を想定し、消毒薬で繰り返し本体を拭いても劣化しない表面材質を新開発した。拭き残しがないように凹凸の少ない形状を採用。ファンレス、ポートレス、フラットボタンで、薬剤が内部に入る心配をせずにクリーニングできる。ログオン時やバッテリ交換時にクリーニングを促すアプリケーションも搭載する。
持ち運びやすさや、立ったままでの業務のしやすさを考えて、ハンドルと背後のストラップを付けた。看護師がナースステーションからCF-H1を持って病室に移動し、患者のベッドサイドで立ったまま使うことができる。約1.5キロの重さがあるが、ハンドルが付いているため持ち運びが簡単とパナソニックは説明している。
バッテリ駆動時間は約8時間。ホットスワップ機能があり、起動したままで2つのバッテリパックのうちの1つを交換できる。パナソニックはオプションで、4つのバッテリパックを同時に充電できるチャージャーも用意。クレードルにもバッテリパックの充電機能がある。患者が手首に付けるリストタグやカルテを読み取れるように2次元バーコードリーダーやRFIDリーダー、患部の状態などを撮影できるオートフォーカスのデジタルカメラも搭載する。
パナソニックによるとヘルスケア市場向けモバイルPCの年間成長率はグローバルで22%。同社はCF-H1を2012年にはグローバルで年間10万台販売したいとしている。
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