トランスコスモスは11月20日、海外進出企業を対象としたグローバルコールセンターサービスを開始する、と発表した。アジアの主要10言語をカバーするコールセンターサービスをワンストップで提供することで、2011年までに海外売上高比率を5%から10%に引き上げるという。
同社では、2001年からアジア各国でコールセンターサービスやデジタルマーケティングサービスを展開。累積45億円を投資して6カ国18都市まで現地企業向けサービスを拡大してきた。今回は、アジア地域に進出する企業が年々増加していることを受け、フィリピン、韓国、中国、タイの主要拠点に執行役員/本部長クラスのマネジメント人材を配置。各拠点間の連携を強化して、アジア10言語に対応可能なサービス体制を整えたという。併せて、日本のトランスコスモス本社が各拠点を一元管理することで、業務ノウハウやナレッジを蓄積、共有し、業務効率化、サービス品質向上を図る。
同社執行役員 海外事業本部長 兼 特別プロジェクト室室長の久保雄一朗氏は、「2001年に海外進出した当初、メインターゲットはあくまで海外進出している日本企業だった。しかしアジア地域にビジネス展開する海外企業が年々増えてきたことと、弊社でも海外拠点における運営ノウハウが充実してきたことを受け、その後は海外企業もターゲットに据え、グローバルコールセンターサービスに踏み切った。今回、拠点間連携を強化したことで、より幅広く、きめ細やかなサービス体制を実現できる」と力説した。
今後は日本のトランスコスモス本社が総合窓口となり、日本、韓国、中国、フィリピン、タイ、欧米の各拠点を一元管理する。併せて、中国のWecosmos社、タイのMTS社など、これまで出資してきた現地企業の完全子会社化を推進し、トランスコスモス・ブランドとしての一貫したサービス体制を強化するという。
「例えば中国でコールセンターサービスを利用したい、といった要望でも、必ずしも中国拠点だけで対応するとは限らない。というのも、各拠点が現地母国語をはじめ、多言語に対応する能力を有している。また各拠点の連携体制も整えている。これらを生かすことで、業務量の少ない地域を集約化するなど、最適かつ最小コストでニーズに応えられる運用体制を提案できる」(久保氏)
また、顧客満足度(CS)向上に効果的なマネジメントフレームワーク、「COPC2000」をベースに、各拠点が明確なKPIを設定。業務状況を明確に把握して、拠点間で情報を共有、蓄積、分析し、サービス品質、パフォーマンスの継続的な向上を図るという。
このほか、顧客企業がオフショアでサービスを立ち上げる際は、文化や言語の違いによるリスクが懸念されるが、この点についても現地の人材をスタッフに擁することで対応し、サービスの立ち上げを確実に支援できる体制を整えた。
久保氏は「各拠点にマネジメント人材を配置したのは、顧客企業の“グローバルITパートナー”になる、という一種の意思表明でもある。2011年までに海外コールセンターの保有席数を、現在の4640席から8000席規模まで拡大する予定だが、金融、通信、通販、メーカーをはじめ、各業種の顧客企業に向けて、きめ細かなサービス体制を提供することで、今後は海外での顧客企業を10社から40社まで拡大し、海外売上比率をいっそう高めていきたい」と話している。
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