hardware as a service / ハース / サービスとしてのハードウェア
CPU処理能力やメモリ、ストレージといったハードウェア資源をネットワークサービスとして提供するデリバリ・モデル。ユーザーは初期費用なしにコンピュータ資源の利用を始めることができ、自身で物理ハードウェアを持たないことから運用・メンテナンスの手間も軽減される。
HaaSサービスは従来型のホスティングサービスと異なり、仮想化技術を活用して仮想インフラを提供する。ユーザーはサーバやストレージの需要に応じて、ハードウェアサービスを購入することになる。
物理的なITインフラを構築する場合、サーバやネットワーク機器の調達に数週間、設置・設定作業に半日程度はかかる。しかし、HaaSでは事前に用意してあるハードウェア資源を仮想化技術により動的にユーザーに割り当てるだけなので、数分から10分程度でハードウェア資源が利用可能となる。ユーザー企業にとっては資源の増減も即座に行えるため、ピーク時に合わせて物理インフラを用意する必要がなくなり、IT投資の効率化につながる。
HaaSのさきがけとなったのは、米国アマゾン・ドットコムが2006年に始めた「Amazon Simple Storage Service(S3)」(2006年3月)、「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」(2006年8月)である。前者はストレージ容量を、後者はコンピュータ処理能力をオンラインで提供する。この動きを受けて、ITアナリストのヴィニー・マーチャンダニ(Vinnie Mirchandani)や、『IT Doesn't Matter』の著者 ニコラス・G・カー(Nicholas G. Carr)がHaaSという表現をブログで使い始めたのがこの言葉の発端のようだ。
SaaS、PaaSなどとともに、クラウドコンピューティングの1つと見なされている。
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