クラウド版Exchangeは月1044円、MSが価格発表「Microsoft Online Services」

» 2009年04月06日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 マイクロソフトは4月6日、日本語ベータを無償提供中で、4月中に商用サービスを開始する予定のクラウドサービス「Microsoft Online Services」の提供価格を発表した。Microsoft Online ServicesはExchange ServerやSharePoint Serverの機能をオンライン経由で利用できるサービス。マイクロソフトはシステムインテグレータ(SIer)など30社以上が同サービスのパートナーになったことも発表した。

 Microsoft Online Servicesは「Exchange Online」「SharePoint Online」「Communications Online」「Live Meeting」で構成(参考記事)。マイクロソフトは4製品を統合したスイート製品「Business Productivity Online Suite」(BPOS)も用意する。Exchange OnlineとSharePoint Onlineには機能を限定した「デスクレス版」もある。通常版のExchange Onlineが1アカウント当たりの電子メール容量が5GBのところ、デスクレス版は500MB。またデスクレス版のSharePoint Onlineはドキュメントの読み取りのみが可能となっている。

 1アカウント当たりの月額料金はExchange Onlineが1044円(税別、以下同じ)。デスクレス版は209円。マイクロソフトの執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏は「通常の電子メールシステムのTCOは1ユーザー当たり1200円」と説明し、Exchange Onlineの割安さを強調した。SharePoint Onlineは757円(デスクレス版は209円)などとなっていて、4サービスの合計は月額3000円弱となる計算だ。

Microsoft Online Servicesの提供価格

 しかし、この4サービスをスイートとして提供するBPOSは、さらに値段を割り引いて月額1567円で提供する。250ユーザー以上が使う場合は最大24%のボリュームディスカウントを受けられる。Exchange Serverのクライアント アクセス ライセンス(CAL)などを持つ顧客向けの割引価格も用意する。

 米マイクロソフトのマイクロソフト ビジネス部門担当プレジデント スティーブン・エロップ氏は国内で3月10日に始めたMicrosoft Online Servicesの無償ベータテストについて「500社が参加していて、成功の兆しがある」と話した。また、「マイクロソフトがこのサービスで成功するためには、パートナーエコシステムと密接に協力しないといけない」と話し、クラウドサービスでもパートナー連携を重視する考えを強調した。

 マイクロソフトによるとMicrosoft Online Servicesの認定パートナープログラムにはすでに30社以上が参加している。パートナーはMicrosoft Online Servicesを顧客に販売したり、サービスを基盤に追加アプリケーションを開発するビジネスが考えられ、販売額に応じてマイクロソフトが奨励金を支払う。これまでのパッケージソフトウェアからは「ビジネスモデルの大きな転換になる」(ウチダスペクトラム 代表取締役社長 町田潔氏)。

 ただ、マイクロソフトは中堅中小企業だけではなく、サーバ型システムを採用する大企業の地方拠点などでもMicrosoft Online Servicesが使われると見ていて、パートナー各社はこれまでのシステム構築のノウハウを生かせるとしている。「30社には“ソフトウェア+サービス”の両方の経験と実力のあるところが集まっている」(マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長 横井伸好氏)

左からマイクロソフトの佐分利ユージン氏とウチダスペクトラムの町田潔氏、日立システムアンドサービスの執行役専務 眞木正喜氏、米マイクロソフトのスティーブン・エロップ氏

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