event tree analysis / イベントツリー解析 / 事象の木解析
安全性解析やリスクアセスメントで用いられる手法の1つ。ある故障や事故(原因)の発生を想定し、それに引き続いて起こる事象(対策など)の確率を考えることにより、結果(中間・最終事象)に至る過程とその発生確率を明らかにする。
ETAでは、イベントツリー(ET、事象の木)と呼ばれる樹形図が用いられる。これは、左端に起点となる不具合(初期事象)を置き、右に向かって時系列に事象の進展や対策などを展開していき、その対策が成功(適切な対応)した場合と失敗(不適切な対応、誤作動など)した場合を上下に分岐させたものである。
初期事象とそれに続く対策の成功/失敗に確率を与えると、最終的な到達事象(致命的事故など)の発生確率を、これに連なる各事象の確率の積として求めることができる。また、最終事象における損害金額を仮定すれば損害期待値も算出可能となる。
ETAは、原因となる初期事象がどのような過程で危険事象に進展・拡大するかを時系列に示すもので、初期事象から最終事象までの各段階における対策の問題点を評価するのに有効である。具体的な事故進展・拡大防止策を検討する場合に用いられる。
▼『FTA安全工学』 総合安全工学研究所=編/井上威恭=監修/日刊工業新聞社/1979年4月
▼『設計開発の品質マネジメント』 久米均=著/日科技連出版社/1999年9月
▼『国際標準化時代の実践FTA手法――信頼性、保全性、安全性解析と品質保証』 小野寺勝重=著/日科技連出版社/2000年6月
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