NetIQ、学習機能で誤アラートを減らす監視ツールWebサーバやデータベースを含めたサービス全体を監視可能

» 2009年07月30日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 NetIQは7月23日、システム監視ツールの最新版「AppManager Performance Profiler 4.1.2」(以下、AMPP)を発表した。AMPP最新版では、CPUやメモリなど従来の基本項目の監視に加え、SQL ServerやOracleなどのデータベース、Webサーバなどアプリケーションの監視も可能になった。

堀田氏写真 NetIQ 製品企画担当マネージャ
堀田昌昭氏

 AMPPは、サーバやサービスの稼働状況を監視する運用管理ツール。最大の特徴は、サーバの稼働特性を自動的に学習し、アラートを出すしきい値を自動で調整する点だ。具体的には5分おきにサーバのデータを収集し、そのデータを15分間分集めた時点で稼働特性を分析。その結果を反映→データ収集、というサイクルを繰り返す。これにより、例えば「お昼はアクセスが多いので、CPU稼働率70%〜95%ならアラートを出さない」「夜中はアクセスが少ないので、25%を超えたらアラートを出す」といった学習をするという。

 NetIQ 製品企画担当マネージャ 堀田昌昭氏は、「このような学習機能を持つことで、無駄なアラート数を大幅に減らすことができる。通常、アラートが出た場合には、運用管理者は何らかの行動を起こさなければならないが、無駄なアラートを減らすことで、運用管理者の工数も減らすことができる点は大きい。実際、この製品を導入した米国の衛星ラジオ局は99.5%のアラートを削減し、運用管理者の1日の仕事が4時間減った例もある」と説明した。

 AMPPの最新バージョン4.1.2では、新たにWindowsやUNIX、LinuxなどのOSや、SQL ServerやOracle、Exchange、IISなどの各種アプリケーションの稼働特性も学習できるようになった。また、「ResponseTime for Web」で計測しているWebアプリケーションの応答状況も学習できるようになったという。例えば、サービスシステムをWindows ServerとSQL Serverで構築している場合には、WindowsとSQL Server用のテンプレートを購入すればよい。テンプレートは上記の各種アプリケーションのほか、仮想サーバ用にVMware用も用意しているとした。価格はテンプレートが6万4000円程度、AMPPに必要なAppManagerが40万円程度から。

 「これにより、Webサーバやネットワークだけでなく、データベースなども含めたサービス全体のサービスレベル監視が可能になった。学習機能と合わせて、サービス全体の無駄なアラートを減らすことができる」(堀田氏)とコメントした。

 また、レポート機能として「ワークロードレポート」を用意。この機能は、CPUやメモリ、ディスク、ネットワークの負荷が現在どの程度で、どのような傾向があるのかを確認することで、負荷分散したりより強力なハードウェアに移行するなど、次の手を先手で打つことができる。「傾向分析から、将来のサーバ計画を立てることにワークロードレポートを利用しているユーザーもいる」(堀田氏)と説明した。

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