そこで次の議題です。では、具体的にどのようにすれば前項に述べたような変身を遂げることができるのでしょうか。
その答えは「新しいことをしたい時、あるいは困った時に社員から真っ先に声が掛かる人物になる」ことです。
声が掛かれば、相手の業務にも詳しくなれます。声が掛かれば、相手の悩みの相談にも乗れます。とにかく、イベントがあればすぐにユーザー部門から呼ばれることが大事なのです。
「ユーザー部門の人が、わざわざ情報システム部門の人を読んだりはしないよ」と、思われた方も多いのではないかと思いますが、そこが今回のポイントです。「わざわざ呼ばれるように、社内営業を行うこと」が、これからの情報システム部門には必要です。
ここで出てきた「営業」という言葉を聞いて、皆さんは何を思ったでしょうか。「嫌だなあ」と思った方の中には、「自分のキャラクターでは営業は無理だよ」と思った方も、少なからずいると思います。
皆さんの想像する営業はどのような人物でしょう。洒落たスーツを着て、ノリが良く、話し上手といったイメージでしょうか。
しかし、ここでお話をする営業とは、そのようなイメージではありません。
「営業はちょっと……」と思う方も、実は日常生活において、立派な営業をしています。
皆さんの日常を振り返ってみてください。皆さんは、このようなやり取りをしたことはないでしょうか。
「ねえ、何か飲み会をするのに良いお店、知らない?」
「ああ、それならあのお店すごく美味しいよ! 是非行ってみてよ!」
この何気ない会話が、実はヒントなのです。
つまり、何かしら相談される人は、「ある特定の分野に詳しいか、その道のプロである」と周りから認識されている人です。
しかし、ただ待っているだけではこのように周りに認識してもらえるわけではありません。周囲の人に自分の価値を知らしめる必要があります。
このように“周りに知らしめる活動”を、筆者は「社内営業」と言っているのです。
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