超大型ハリケーン「カトリーナ」の被災者が米連邦危機管理庁(FEMA)にオンラインで災害申請を行いたい場合には、自分のコンピュータでMicrosoft WindowsとInternet Explorer(IE)のバージョン6以降が稼働していることを確認した方がいい。FEMAのWebサイトによれば、災害申請にはIE 6が必要という。
つまり、MacintoshやLinuxコンピュータを使っているユーザーは、オンラインでは被害届を提出できないということだ。ただし、FEMAに電話をすれば災害申請は行える。オンラインの文書には、次のように記載されている。「電話で連邦災害援助を申請したい場合の連絡先は1-800-621-FEMA(3362)です。視聴覚の不自由な方は、1-800-462-7585のテレタイプライタサービスをご利用ください。年中無休で毎日24時間受け付けています。現在、回線が非常に混み合っております。つながりやすい時間帯は午前2時〜6時(東部夏時間)です」
FEMAが非Windowsユーザーにこうした不自由を強いていることを受けて、Macユーザーのゲイリー・マリンズ氏は9月5日、MacInTouchのWebサイトに次のようなコメントを投稿している。
「私の90歳の母は、ハリケーンが直撃したミシシッピ沿岸から約8マイル離れたミシシッピ州ダイヤモンドヘッドに住んでおり、カトリーナが過ぎ去るまで隣りの兄の家に避難していた。怪我は負わずに済んだが、家屋は大きな被害を受けた。母は財産の大半を失った。私は昨日、カリフォルニアの自宅に母を連れてきて、今朝、災害申請の手続きを進めようとFEMAのWebサイトにアクセスした」
「ところが驚いたことに、FEMAで災害申請を行うにはMicrosoftのIE 6が必要ということだった。システムがIE 6にしか対応していない。私はこの件について政治的なことを言いたくはないが、Windowsユーザーしかオンラインでの手続きを行えないというのは、行政の重大なミスと言えるだろう。行政に対する意見は新聞の社説ページのために取っておくとしても、私はこの件をめぐる失望をぜひMacコミュニティーには伝えておきたかった。ほかのMacユーザーにも、自分たちの地域の政治家や新聞などのメディアに、こうした社会の少数派を軽んじる行政の姿勢を伝えてほしい」
また別のMacInTouch読者であるトッド・デル・プリオーレ氏は次のように書いている。「FEMAのサイトを使うためには、JavaScriptを有効にして、IEのバージョン6を持っている必要がある。私は最新版のSafari、IE、Firefoxを試したが、どれもだめだった。南部のMacユーザーは天に助けてもうらうしかないということなのだろうか」
Computerworld編集部のMacユーザーも、FEMAの登録サイトにアクセスしようとしたが、できなかった。
FEMAの広報担当者はこうしたオンラインでの制限について尋ねられ、同局では問題を認識しており、IT部門に問題の解決を要請済みだと答えている。より詳細な情報を求めて、FEMAのIT部門にコンタクトを試みたが、本稿の掲載時までに連絡を取ることはできなかった。
先月には、World Wide Web Consortium(W3C)が米著作権局に対し、一時的であれ、IEかNetscapeのブラウザを使ってでなければオンラインフォームを提出できなくすることになる提案をめぐり、異議を唱えている。
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