CATVはタブレットがお好き?:ケーブルテレビコンベンション2012(2/2 ページ)
CATVでもスマートフォン/タブレット連携は欠かせない要素になりつつある。パナソニックが自社製STBとAndroid/iOSを連携させるAPIを提供したことも手伝い、さまざまな新サービスやアプリが提案されている。
今回のミルシータブレットは、ソニーの「Sony Tablet S」にMIL-C専用アプリを導入したものだ。専用のホーム画面では大きなアイコンから各種情報にアクセスできるほか、MIL-C関連アプリを一括アップデートできる仕組みを設けるなど、ファミリー層に扱いやすいものにした。Sony Tablet Sは赤外線リモコンを搭載しているため、ネットワーク非対応機器でも操作できる点もメリットだという。
このミルシータブレット、7月にマンション向けの実証実験を終えており、9月末には第1号物件(既築マンション)へ導入される見通し。また年内をメドに戸建て向けの実験も実施し、2013年の販売を目指すという。またサービス面では今後、ショッピングや地域限定のソーシャルネットワークサービス、ヘルスケアといったジャンルのアプリを開発していくほか、リモコンやIP-VOD、DLNA/DTCP-IP対応DLNAクライアントといったAV系アプリの展開も計画中。宅内の録画対応STBと連携し、テレビ視聴時のセカンドスクリーン、あるいはポータブルテレビとして活用できる。
目下の課題は、DLNAサーバになるSTBがパナソニック製のため、Sony Tabletと組み合わせてネットワーク経由の動画視聴ができないこと。このためイッツコムが仲介して両社に働きかけるとともに、他社製タブレットの評価なども合わせて進めていくという。
パナソニックSTBからの放送転送に対応した「DiXiM Player」
前述のように、標準規格であるはずのDLNA/DTCP-IP対応機器も、サーバとクライアントのメーカーが異なると使えないケースが多い。そんな状況に一石を投じる試みが、参考出展の「スマートフォン・タブレットDLNA連携応用」だ。
これは、パナソニック「TZ-BDT910」シリーズに実装されている「放送番組転送」「VGA録画番組転送」といった独自機能を一般的なスマートフォンやAndroidタブレットでも利用できるようにするというもの。デジオンが協力し、さまざまな端末に採用されているDLNAプレーヤーソフト「DiXiM Player」にパナソニック製品のプロファイルを適用。パナソニック製のスマートフォン“ELUGA”「P-06D」とNECの10.1インチタブレット「LifeTouch L」でデモンストレーションを行った。ただし、今回は技術展示のため製品化の予定はないという。
「アクトビラ」の「スマート☆VOD」(仮称)
ネットワーク動画配信サービスの「アクトビラ」も、Android向けのリモコンアプリと「スマート☆VOD」と呼ばれるユーザーインタフェースを参考展示していた。
「スマート☆VOD」は、上段に映画コンテンツ、下段にコミュニティチャンネルの過去放送コンテンツが並ぶユニークなもの。同社によると、「地域密着型のCATVでは、お孫さんが出演した番組を見逃したから見られるようにしてほしい、といったニーズがある。今はPC上で“見逃し視聴”できるCATV局も存在するが、やはり『テレビでみたい』という声が多い」。ローカルな映像がVODの有力コンテンツになるというのは、「CATVならでは」といえそうだ。
一方のアプリは短期間で作ったものらしく、方向キーとカラーボタンなど基本的な操作ボタンに限られていた。将来的にはVODコンテンツをタブレットの画面上で選択できる機能などの追加も検討していく。
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