CDとハイレゾ音源のハイブリットプレーヤー、ヤマハ「CD-N500」:欲ばりにいきましょう(3/3 ページ)
ネットワークプレーヤーであり、CDプレーヤーでもあるヤマハ「CD-N500」。細かく見ていくと、CD/ネットワークのどちらにも力の入った製品であることが分かる。
CDとネットワーク、サウンド傾向も違いも楽しめる
さて、肝心のサウンドをチェックしよう。まずはネットワークオーディオから。CDからリッピングした44.1kHz/16bit楽曲を数曲かけて感じたのは、フラットでナチュラルなサウンド傾向だ。個性的な演出をねらうのではなく、できるだけ自然な音色とサウンドフィールドを目指したのだろう、端正でそつのない音楽再生を実現している。
一方、ハイレゾ音源(96kHz/24bit)を再生すると、高域の伸びやかな、音場的な広がりも豊かなサウンドを披露してくれた。CDリッピングに比べると、格段の違いを感じられるところなどは、ネットワークプレーヤー初心者にとっても分かりやすいと思う。またフロントのUSBポートにUSBメモリを差して再生を行ってみたが、ほぼ同じ音色傾向だった。素直な音、というイメージだ。
続いてCDを再生してみる。こちらはガラリと表情が変わり、メリハリの良い、力強いサウンドに仕上げられていた。とくに女性ボーカルなどが顕著で、ネットワークオーディオに対して、明らかにリキの入った、感情豊かな歌声になっている。こちらの方が、聴いていて気持ちよいと思う人も多いかもしれない。なかなかに絶妙な演出だ。
CD-N500は、ネットワークプレーヤーとしての魅力だけでなく、CDプレーヤーとしての魅力も詰め込まれた完成度の高いモデルだ。この価格帯には、すでにパイオニア「N-50」などのネットワークプレーヤーが存在するが、最後発だけに、機能やスペックの面での見劣りがないのはもちろん、高音質CDプレーヤーとしても活用できるというアドバンテージを持ち合わせている。ネットワークプレーヤーがほしい、でも手持ちのCDも楽しみたい、といった欲ばりな人はもちろん、CDプレーヤーの買い替えを考えている人にも魅力的な製品といえるだろう。
音質評価 | (ネットワーク) |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−−−○質感重視) |
音質評価 | (CD) |
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解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
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