iPadで操る電動ベッド、テンピュール「Zero-G 500」を見てきた:USBは4ポート
USBを4ポート搭載。専用アプリを導入したタブレットからBluetooth経由で操作できる電動リクライニングベッドが登場した。さっそく見に行ってきた。
就寝前のひととき、以前ならベッドの上で雑誌をめくったり、ラジオを聴いたりして過ごすことが多かった。今はタッチパッドでページをめくり、アプリでラジオを聴いたりしている。寝室用のテレビもほしかったが、タブレットとDLNAアプリがあれば、もっと便利に使える――そんな生活スタイルの変化に対応したベッドが、テンピュールから登場する。
テンピュールの「Zero-Gシリーズ」といえば、2010年に日本で発売され、「無重力(ゼロ・グラビティ)ポジション」で話題になった高級ベッド。リモコンの「ゼロG」ボタンを押すと、モーターの力で頭と足の部分が持ち上がり、“ゼロG姿勢”に。体圧が分散されて内蔵への負担が減るとともに、足の血の巡りも良くなるという、つまり重力の影響を受けにくい姿勢というわけだ。「この姿勢は、戦時下の病院でベッドの数が足りずにハンモックで代用したところ、ハンモックに寝ていた患者のほうが回復が早かったことから研究が進みました。医学的も証明された“一番楽な姿勢”です」(同社)。
そのZero-Gシリーズに加わる新しいフラグシップモデル「Zero-G 500シリーズ」が今回の主役だ。タブレットのヘビーユーザーが喜びそうな、新機能がいくつも追加されている。
まず、従来の無重力ポジションに加え、就寝前に本を読んだりタブレットを操作するのに適した角度になる「リラックスポジション」、そして目覚めた後に頭を起こして血の巡りを良くする「リフレッシュポジション」が追加された。リモコンには、分かりやすく「月」と「太陽」のマークを描いたボタンを用意され、ボタン1つで選択できる仕組みだ(もちろん、頭部、脚部を個別にマニュアル調整するボタンもある)。
そして、ベッド側面に用意された充電用のUSB端子。縦に2つのポートが並び、それが両側面にあるため、合計4つの端末を同時に充電できる(iPadの充電も可能)。また、USBポートの横にはリモコンや雑誌を収納できる大きめのポケットを用意。これもiPadなど11インチクラスのタブレットがすっぽりと入るようにサイズを合わせたという。眠くなったらタブレットをUSBケーブルをつなぎ、ポケットに放り込んでおけば、翌朝すぐに持ち出せるという寸法だ。
「以前ならコンセントを用意するところですが、今の時代に必要なものを考え、給電用のUSB端子を選びました。両側に2つずつあれば、夫婦それぞれがスマートフォンとタブレットを持つようなケースにも対応できます」(同社)。どうやら、結構なヘビーユーザーを想定している様子。iPadとSony TabletがあるのにiPad miniを衝動買いしてしまった、わが家のために開発してくれたのだろうか。
そしてもう1つ、オプションとして後付けBluetoothユニットを用意する。専用アプリをスマホやタブレットに導入すれば、ポジションの変更やフットライトのオン/オフ、6段階のバイブレーション機能といった操作がすべて行える。無重力ポジションへの変形も、「Zero-G」ボタンをタッチするだけだ。無線式のためリモコンの向きを気にする必要がなく、タブレットであれば大きなボタンで操作できるため、年配の方にも便利だろう。
Bluetoothオプションは来春をメドに1万円前後で販売する見込み。専用アプリはiOSおよびAndroidの両方を用意するという。現在のところ、アプリの機能はリモコンに限られているが、今後は睡眠に関するアドバイスの提供、あるいは睡眠の質を計測する機器やアプリとの連携など、さまざまな可能性を検討しているという。
個人的にも気になる価格は、シングルのフレームが24万1500円、セミダブルで26万2500円、ダブルは28万3500円。それぞれサイズに合わせたマットレスが必要になるため、初期費用はおよそ38万円〜。例えば展示機の場合はセミダブルのフレームに「センセーションデラックス22」というマットレスを組み合わせており、合計金額は48万5205円となっている。
確かに高価ではあるが、ベッドは人生の何分の1かを過ごす場所だ。使用する時間の長さ、快適な睡眠というバリューを考えれば納得できる人も多いだろう。また「リクライニングベッドというカテゴリーの中では、むしろ低価格」(同社)というのも事実。とはいえ、この価格では家庭内稟議が下りるわけもない。また“眠れない夜”が増えそうだ。
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