“ネット家電”が少し身近に、家電各社のスマート戦略:2013 International CES(4/4 ページ)
白物家電にネットワーク機能を搭載し、インターネット接続や機器同士の連携を可能にする試みが広がっている。2013 International CES」では、少ないながらもより実用的なものが登場した。
また家電のネットワーク接続ではWi-FiやZigBee、Z-Wave、Bluetoothといったワイヤレス接続技術が注目を集めがちだが、米国ではコンセントや電力線を使ってネットワークを構築可能なPLCが利用されていたりする。
ルータからイーサネットケーブルを張り巡らせている人も多いと思われるが、そうしたユーザーに興味深い技術が、イスラエルのValens Semiconductorが開発した「HDBaseT」だ。HDBaseTは、イーサネットケーブルを使ってデータ通信だけでなく、電力供給を可能にする技術。USBやHDMIなどでもデータ+電力の供給でインフラ構築を目指す意見があるが、HDBaseTでは最大100ワットまで利用可能で、これを既存のカテゴリ5のイーサネットケーブル(UTPケーブル)で伝送できる。スイッチと端末の距離は最大100メートルで、これはイーサネットと同じ。つまり既存のケーブル施設インフラをそのままHDBaseTで置き換え可能だ。
データ通信と同時に電力供給も行えるため、例えば監視カメラをイーサネットケーブルだけで接続動作させられるほか、大画面液晶TVでさえHDBaseTのケーブル1本だけで電力供給を賄える。これはオフィスや店舗などでのサイネージ用途で大きな効力を発揮するだろう。HDBaseT自体は既存のイーサネットとプロトコル互換ではないものの、スイッチを入れ替えるだけでそのまま既存インフラを置き換えられる点がメリットになりそうだ。
関連記事
- インチ1万円を切る、東芝が語った4Kテレビとクラウド戦略
東芝は、「2013 International CES」の開幕に先立ち、1月6日(現地時間)に米ラスベガスで日本プレス向け記者会見を開催した。第2世代4Kテレビは84V型、65V型、58V型をラインアップする。 - 「帰宅前にエアコンON」はNG? パナソニックがアプリの仕様を変更
スマートフォンからエアコンをオンにする機能に“待った”がかかった。パナソニックが10月に発売するスマート家電から一部機能を削除する。 - パナソニック、「スマート家電」を本格展開
パナソニックがエアコンやドラム式洗濯乾燥機など6種の「スマート家電」を一挙投入。スマートフォンを介してクラウドサービスと連携し、「新たな快適性と利便性を提供する家電」という。 - 3Dの未来と課題
世界最大規模の家電展示会「International CES」には、さまざま新製品や技術、トレンドが集合する。今回の「デジタル閻魔帳」は“CESの水先案内人”こと麻倉氏に、3Dの未来と課題について語ってもらった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.