「音楽にチャンスを!」 J-WAVEが放送連動型の音楽ファンドを運営:ポイントで出資できる
J-WAVEが、新人アーティストや現役アーティストの新しい活動をサポートするファンディングサービスを開始する。一般の音楽ファンからの少額出資を募る仕組みだ。
J-WAVEは、9月から音楽専門のクラウド型ファンディングサービス「J-CROWD MUSIC」をスタートする。新人アーティストのCDデビューや現役アーティストの映像制作、ライブイベントといったプロジェクトに対し、一般のファンから出資を募るというもの。ファンがアーティストを支え、チャンスを提供する仕組みだ。
一般的なファンドと異なるのは、出資金額が数千円からと少額で、またリターンも現金ではなく、CDなどの商品やライブチケットという形で還元されること。各プロジェクトはJ-CROWD MUSICのWebサイトに掲載され、J-WAVEの放送で告知する。プロジェクトに共感したリスナーはサイトを通じて出資の意思表示を行い、目標額を達成するとプロジェクトが成立する。一方、目標金額に達しなかった場合は、出資者に対する課金は行われず、プロジェクト自体も実施されない。
プロジェクトの内容は、事前にJ-WAVEを中心とする運営委員会がチェックする。これまでにスピッツやDo As Infinity、いきものがかりなど多数のアーティストをプロデュースしてきた亀田誠治氏がプロジェクトデザイナーを務め、各プロジェクトの方向性や音楽のクオリティーコントロールする。
出資のハードルを下げる工夫も盛り込んでいる。まずWebサイトへのログインは、J-WAVEのインターネット会員組織「J-me」の会員IDのほか、FacebookやTwitterのアカウントも利用可能。クレディセゾンのネット会員IDとの連携も検討中だ。さらに出資時の決済手段についても、クレジットカード決済のほか、クレディセゾンの「永久不滅ポイント」や「Tポイント」、「楽天スーパーポイント」を利用できるようにした。
J-CROWD MUSICのWebサイトは9月中旬にプレオープンする予定。オープニング企画として、複数のプロジェクトを用意する。また10月1日にグランドオープンする計画で、同時にさまざまなプロジェクトを本格稼働するという。
このほか、J-CROWD MUSICのプラットフォームを利用して、一般企業と音楽を絡めたタイアップキャンペーン企画も実施。例えば、「商品を購入することで、J-CROWD MUSICにプロジェクトを立ち上げているアーティストに間接的に出資できる」仕組みを作る。
「ITの進化により、音楽の聴取スタイルは大きく変化した。音楽のビジネスモデルが変革期を迎えた今、J-CROWD MUSICはファンがアーティストを支えて、本当に良い音楽をリスナーに届けるための新しい音楽制作プラットフォームとして機能する」(同社)。
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