大画面だけじゃない? 4Kテレビの未来が見えるCEATEC:CEATEC JAPAN 2013(2/2 ページ)
「CEATEC JAPAN 2013」開幕前日に報道関係者に向けて一部ブースを開放する「メディアコンベンション」が開催された。さっそく展示会場から一足早いリポートをお届けしよう。
裏側にも注目したい三菱の「4K LASERVUE」
三菱電機ブースでは、4Kパネルを搭載した「REAL LASERVUE」(レーザービュー)を展示している。同社がパートナー向けに開催したプライベート展示会で披露したことはあるが、一般には初お披露目となる。
4K解像度を持つVA型液晶パネルに、「LSR3シリーズ」と同等の赤色レーザー&シアンLED搭載バックライトシステムを組み合わせたもの。ただし、注目は解像度よりもデザインかもしれない。
今回の試作機は、同社のデザイン研究所で行われたコンペティションに出品された「屏風」というコンセプトデザインをほぼそのまま形にした。両サイドのアルミ製スピーカーで画面を支える仕組みで、6ミリ幅という超狭額ベゼルと合わせ、まるで画面が宙に浮いているように見える。スピーカーは同社お得意のカーボンナノチューブ振動板を採用した10連ユニットとし、スピーカーの右下にある「MITSUBISHI」ロゴが白く光るといったギミックも搭載している。さらに後ろ側に回り込んで見ると、スピーカー部分の裏側は真っ赤に塗られていた。
「この赤も“屏風”というコンセプトをそのまま形にしたから。このまま量産するとは限らないが、サイドスピーカーのデザインは前向きに考えている」(同社)。
シャープの「AQUOSクアトロン プロ」
シャープブースは、4Kテレビの「UD1シリーズ」と並び、同日行われた記者会見で紹介した「AQUOSクアトロン プロ」を大量に展示している。
「AQUOSクアトロン プロ」は、RGB+Yで構成される独自の「4原色画素構成」を生かし、分割駆動技術によるサブピクセル制御で縦/横の解像度を倍“相当”にするという技術だ。パネル解像度はあくまでフルHDだが、「4Kに近い解像感を得られる」(同社)という。
展示会場では、同サイズの「クアトロン」と新しい「クアトロン プロ」パネルを横並び比較しており、精細感の高い映像を確認できた。残念ながら4Kテレビとの比較はなかったが、2Kの入力信号を4Kアップコンバートしてからパネルに送り込むという4Kテレビ的な内部処理も手伝い、「2Kの映像では、ちょうど2K(フルHD)と4Kの間くらいの精細感が得られる」と話している。
同社では製品化を前提に「AQUOSクアトロン プロ」の開発を進めており、展示ブースには46V型、52V型、60V型、70V型、80V型という5サイズが並べられていた。「近いうちに発表できると考えている」(同社)。
「CEATEC JAPAN 2013」の会期は、10月1日(火)から10月5日(土)までの5日間。このうち1日(火)は招待日、3日(水)〜4日(金)が通常の公開日で、最終日の10月5日(土)は無料公開日だ。入場料は当日登録で一般1000円/学生500円だが、公式Webサイトで事前登録を行えば無料になる。
関連キーワード
CEATEC 2013 | CEATEC | 4K2K | AQUOSクアトロン | 4Kテレビ | REGZA | IFA | 東芝 | LASERVUE | LEDバックライト | 三菱電機 | 参考出展 | カーボンナノチューブ
関連記事
- シャープ、2K最高画質の「クアトロン プロ」や超狭額縁「フレームレスディスプレイ」などを参考展示
シャープは、「CEATEC JAPAN 2013」の開幕に先立って記者会見を行い、同社ブースの展示概要を発表した。 - 4K/8Kに注目、「CEATEC JAPAN 2013」は10月1日から
CEATEC JAPAN実施協議会は、10月1日に開幕するIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2013」の開催概要を発表した。 - 進行する映像と音のハイレゾ化、有機ELへの流れも明確に――IFA振り返り
独ベルリンで9月6日から11日まで開催された世界最大級の家電展示会「IFA 2013」で見えてきたトレンドをAV評論家・麻倉怜士氏に聞いた。まもなく開幕する「CEATEC JAPAN 2013」の予習にどうぞ。 - 「かつてない輝度と色彩」、東芝からレグザ「Z8/J8シリーズ」登場
東芝は、薄型テレビ“REGZA”(レグザ)の新製品として、「Z8シリーズ」および「J8シリーズ」を発表した。新開発の広色域直下型LEDバックライトで高輝度と広色域を実現。「“Z”の中では間違いなく過去最強」という。 - 大画面なら4Kは当たり前? 東芝レグザ「Z8Xシリーズ」が示す“次の一手”
5月末に東芝から“レグザ”「Z8Xシリーズ」が発表され、各社から2013年度の新4Kテレビが出そろった。「大画面なら4Kは必須」というAV評論家・麻倉怜士氏に新製品の傾向と4K化の意義について話を聞いていこう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.