2つのHDMI出力でHDCP 2.2の課題をクリア――ソニーが4Kチューナー「FMP-X7」を正式発表:4K試験放送だけじゃない
ソニーが、CS 124/128度チューナーとHEVCデコーダーを搭載した“4K対応メディアプレーヤー”「FMP-X7」を発表した。スカパー!の有料4K専門チャンネルや「アクトビラ4K」もサポート。
ソニーは9月29日、CS 124/128度チューナーとHEVCデコーダーを搭載した“4K対応メディアプレーヤー”「FMP-X7」を正式に発表した。5月の4K試験放送スタート時に開発表明を行ったもの。10月18日から実売4万円前後で販売する(オープンプライス)。
NexTV-Fの4K試験放送「Channel 4K」に加え、スカパーJSATが2015年3月にスカパープレミアムサービスで開始する2つの有料4K専門チャンネル、さらにアクトビラが12月にスタートするIP-VoD「アクトビラ4K」に対応する。
4K試験放送やスカパープレミアム(2K/4K)は録画も可能だ。背面のUSB端子に別売の外付けHDDを接続すれば、放送波をそのまま記録するダイレクトレコーディングが可能だ。HDDは1台あたり最大4Tバイトで、8台まで登録できる。
フロントUSB端子では、4K対応ハンディカムで撮影した4K動画(XAVC Sフォーマット)の保存が可能。外付けHDDに取り込んでおけば、内蔵XAVC Sデコーダーでいつでも再生できる。
さらに最大192kHz/24bitのハイレゾ音源を含む音楽再生機能も搭載した。対応ファイルフォーマットは、MP3、WAV、FLAC。USBメモリーやウォークマンからUSB接続で外付けHDDに取り込み、HDMIから出力できる。
2つのHDMI出力でHDCP 2.2の課題をクリア
デザインやサイズは、「Channel 4K」発表会に展示したモックアップと同じ。PlayStation 4を思わせるデザインテイストで、中央にステータスランプが設けられている。なお、本体は横置き設置専用だ。
前面パネルにはC-CASカードスロットとUSB端子、背面にはHDD専用のUSB端子に加え、LAN端子、CSアンテナ端子、そして2つのHDMI出力を備えた。既報の通り、4Kプレミアムコンテンツ再生には最新の著作権保護技術HDCP 2.2に対応する必要があるが、現在のところチップ供給の事情で対応するAVアンプなどが少ないことが問題になっている(関連記事)。
そこでソニーでは、HDMI出力を2つ設け、一方からは映像と音声、もう一方はAVアンプなどに接続できる仕組みにした。「音声だけの方はHDCP 2.2非対応のAVアンプも接続できる。現時点では唯一の仕様だ」(同社)。
関連記事
- 4K機器の“落とし穴”――4Kプレミアム映像の音に注目
今回は4Kテレビと4Kコンテンツを再生する装置の接続に関する話をしたい。すでにご存知の方もいるだろうが、ここには1つ“落とし穴”があるからだ。落とし穴は存在が分かっていれば、避けることもできる。 - スカパー!、2つの4K専門有料チャンネルを2015年3月に開局
スカパーJSATは、世界初となる有料4K専門チャンネルを開局する。チャンネル名称や視聴料金など詳細は未定。 - ハードルを下げる4K対応IP-VOD――アクトビラが12月に開始
アクトビラが4K対応のIP VODサービスを12月に開始する。大容量の4K映像をオープンなインターネット環境で提供するため、いくつかの技術的な特徴を持たせた。 - ソニー、4K試験放送対応CSデジタル放送用チューナーを今秋発売へ
ソニーは5月21日、4K試験放送対応CSデジタル放送用チューナーを今秋発売すると発表した。また現行製品の対応予定についても公開している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.