次世代のエンジニアたちが作り上げたもの――ジェームズ ダイソンアワード表彰式(2/2 ページ)
「ジェームズ ダイソンアワード 2014」の国内優秀賞授賞式が行われ、国内選考において上位入賞した5作品が表彰された。
4位:DOTS
DOTSは、視覚障害者専用のメモツールだ。使い方は、インプットボタンを押して音声で情報を記録した後、内側に並ぶ12個のボタンで“月”、外側にある30個のボタンで“日”を記録する。情報を引き出すときは、“月”のボタンを押すとメモが記録されている“日”のボタンが上がってくるため、触覚でどの日に情報が入っているか確認できる。またモノの情報を吹き込み、タグマーカーを付ければモノの記録も可能。情報を引き出すときは、専用カメラでマーカーを撮影すればいい。
「視覚障害を持たれた人たちは普通の人以上に耳から得る情報が多い。DOTSはソフトウェアや機構も優れていて、使いやすいとイメージしていたが、おそらく視覚障害の方以外でも用途があるのではないか」(林氏)。
5位:HoverBall
HoverBallは、格子状のカーボンファイバー製の外装に小型クアッドコプターを組み合わせた“機動力を持ったボール”だ。クアッドコプターをコントロールすれば、従来のボールには絶対にできない動きが可能。新しいスポーツや子どもの発達支援など、幅広い場面に活用できる可能性を持っているという。
「ニュートン力学を無視したスポーツを実現するアイデア。ひょっとすると歴史の誕生の一瞬を見ているかのような気がする」(田川氏)。
昨年の受賞者が起業
また今回の表彰式には、ゲストとして昨年「国際準優秀賞」を受賞した「Handiii」の開発者である山浦博志氏、近藤玄大氏、小西哲哉氏が登壇。3人はそれまで務めていたメーカーを辞め、10月に会社を設立したという。現在はクラウドファンディングで資金調達に挑戦している。
3人にとって、JDA受賞は大きなターニングポイント。大きな会社の中では自分のアイデアを形にすることは難しかったが、JDA受賞によって活動資金を得て、さまざまな人との出会いも増えたという。「視野が広がり、技術的な面での進化もあった。実際のユーザーとつながることができた。作ったものは、どんどん外の人に見せていくと良いフィードバックが受けられると思う」と受賞者たちにアドバイスした。
「こうした事例が増えることで、勇気づけられた若者も多いはず。自分もチャレンジするきっかけとなる流れを作っていければ良いと思う」(田川氏)。
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