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» 2007年04月27日 19時49分 公開

化学反応を起こせば新ビジネスが誕生? 関東経済産業局の試み

才能のある人間が集まってアイデアを持ち寄れば、新たなビジネスが生まれるかもしれない。企業の枠を超えて、人が集う「場」を提供した関東経済産業局……その結果は?

[土肥義則,Business Media 誠]

 経済産業省では2001年度から、「産業クラスター計画」を推進している。新しい事業が生まれるような環境を整備することで、広域な産業集積を進めることが目的だ。2007年度の強化事業に選ばれたのが、関東経済産業局地域経済部が担当する「情報ベンチャーフォーラム」(首都圏情報ベンチャーフォーラム)だった。ITやコンテンツのベンチャー活性化を図るため、様々な施策に着手している。

 その1つがBEATプロジェクト。異業種交流会や産学官と違って、行政側は場を提供するだけで、あとはお任せというスタンスだ。大企業からベンチャー企業まで、様々なIT企業で働く人間が集まり、アイデアを出し合いながら新ビジネスのチャンスを探っている。

BEATという場を提供する行政

 次世代の企業や技術などを生み出すことを目的とした「Venture BEAT Project」は、昨年の8月に発足した。「BEAT」という名称は、ITやコンテンツ関連に必要な4つの要素の頭文字から取った。ビジネス(Business)の創出、企業や起業家(Enterprise)らのアライアンス(Alliance)、テクノロジー(Technology)――。発足当時のプロジェクトメンバーは41人だったが、現在では80人まで膨れ上がっている。

BEATから新たなビジネスが誕生するか

 BEATの場を提供しているのは、経済産業省の経済産業局情報政策課の濱口慎吾氏。首都圏のIT企業とコンテンツのベンチャーを支援するため、産業クラスター活動を進めている。その一環として濱口氏はソフト面の力――人とネットワークに注目した。「BEATは“リアルSNS(Social Networking Service)”のようなもの。企業にいるプロフェッショナルが集まることによる、化学反応に期待したい」という。メンバーには日本アイ・ビー・エムやマイクロソフトといった大手IT系企業の社員のほか、独自ブラウザ「Lunascape」を開発する近藤秀和Lunascape社長や、携帯電話向けアプリケーション開発をしているjig.jpの福野泰介社長などの起業家も加わっている。

多くの案件が進行

 BEATの活動は、月1回の交流会、フォーラムの開催、情報誌の発行の3つが大きな柱となっている。交流会は会員制だが、申し込みを希望する人が多いという。「求心力などを考慮すると、会員は100人程度が限界だろう」と話す。

創刊準備号を発行。これからは季刊で発行していく

 BEATの成果も出てきている。ネット用のゲームを開発しているシグナルトーク・コーポレーションと大手半導体メーカーのインテルが“変化”を起こした。いずれもBEATのメンバーだ。インテルのViivテクノロジ対応PCに、シグナルトークの麻雀ゲームなどをプリインストールすることが決まった。シグナルトークが開発したゲームのユーザーには高齢者が多い。そこにインテルは魅力を感じた。

 アライアンス成功の秘訣として、インテルのソリューション推進部・江頭靖二部長は「ビジョンが共有できる」ことを挙げている。一方、シグナルトークの栢孝文社長は「高い品質の維持」を強調した。このほかにも企画から実行段階まで、数多くの案件が進行しているという。

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