シャープは7月23日、2006年度の環境保全に関する活動をまとめた「環境・社会報告書2007」を発行した。「環境先進企業」を目指すシャープは、「事業拡大と環境保全を両立する」と「モノづくりを通じた社会貢献が評価される」ことを柱に掲げた。井淵良明専務取締役は「環境先進企業として評価をいただければ、企業価値の向上につながる」ことを強調した。
シャープが事業活動で排出する温室効果ガスの抑制に取り組む構えだ。だが2006年度の温室効果ガス排出量は、対前年度比で19万トン増の173万トンだった。「これは亀山第2工場の建設によるもので、一時的な数字」(井淵専務)とした。一方でCO2の削減量は、前年度と比べ38万トン増の92万トンに達した。2010年までには温室効果ガスとCO2の排出量を削減させ、地球環境の保全に貢献していく方針だ。
環境に配慮した商品を設計するため、1998年度に独自のガイドラインを策定。2004年度からは「スーパーグリーン戦略」を掲げ、新たな基準を設定した。優れた環境性能をもつ「グリーンシール商品」は、売上構成比(2006年度)の目標85%に対し8ポイント上回る93%の実績を残した。グリーンシール商品の中でも、さらに優れた「スーパーグリーンプロダクト」は、売上構成比(2006年度)の目標30%に対し49%を達成した。中でも主力商品である液晶テレビの消費電力は年々低下しており、AQUOS32型では3年前と比べ43%減少している。
井淵専務は「温室効果ガスなど温暖化ゼロの暮らしを実現するため、省エネルギーの性能を高めていきたい」と抱負を語った。
同日、シャープは省エネやリサイクルなどの開発効率を高める独自基準「環境配慮型製品開発システム(G-PAS)」を、海外の工場で導入すると発表した。日本の全工場ではG-PASを導入しており、海外にも拡充するのは業界では初めてという。すでにマレーシア2カ所とタイではG-PASを取り入れており、今後は米国やメキシコなど9カ所で導入する。このG-PASを活用することで、製造からリサイクルまでを効率的な製造が可能となり、環境にも配慮した製品作りを進めていく。
G-PAS導入の背景には、世界中で広がる環境法規制があるからだ。環境安全本部の森本弘本部長は「各国の環境法規制を調査し、製品を設計しなければならない」その上で「グローバルな競争力を高めていきたい」と語った。
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