北京オリンピックで新しく増える種目、知ってる?

» 2007年11月13日 13時06分 公開
[房野麻子,Business Media 誠]

 2008年8月から開催される北京オリンピック。空気が悪いとか、運営面にまだまだ問題があるとか、いろいろ言われてはいるものの、4年に1度のスポーツの祭典。今回も盛り上がることは間違いない。しかも、北京だから時差が少ない。寝不足にならずにテレビ観戦を楽しめそうだ。

柔道・バレーボールが正式採用されたのは東京オリンピックから

 ところで、オリンピックが開かれるたびに、何かしら新しい競技や種目が増えているような気がしないだろうか。最近の夏期オリンピックでは、「テコンドー」や「トライアスロン」が2000年のシドニーオリンピックから正式競技に加わっており、この2つは北京でも行われる。また、2006年の冬期トリノオリンピックでは、複数の人数でバンクの激しいコースを“組んずほぐれつ”競争する「スノーボードクロス」が新種目として採用された。ちなみに、1964年の東京オリンピックで正式に採用された競技は柔道とバレーボール。ただし、柔道は男子のみだった。

 さて、北京ではどんな新しい競技が登場するのだろうかと、JOCのホームページで調べてみたところ、新たな「競技」は増えていないことが分かった。28競技というのは前回のアテネオリンピックのときと同じ数だ。中国オリンピック委員会は中国武術の正式競技化を狙っていたが、残念ながら否決されてしまったのだという。

 しかし、一部の競技では新「種目」が追加されている。簡単に紹介しよう。

北京オリンピックで増える種目

 陸上競技では「障害レース」が始まる。水泳競技の「10キロメートルマラソン」は、プールではない場所、つまり海や湖で泳ぐ種目だ。トライアスロンの水泳部分を取り出した種目といったイメージだろうか。セーリング競技の種目は艇種※によって分かれていて、「RS-X」とは簡単にいうとウィンドサーフィンのこと。「レーザーラジアル」とは、レーザー級と呼ばれる艇種よりも小型のものになる。

※艇種:北京オリンピックでは470級、スター級、レーザー級、RS-X級、イングリング級、レーザーラジアル級、フィン級、49er級、トルネード級と9艇種の競技が行われる。

 「BMX」はbicycle motocrossの略語。若者が町中でやっているような自転車の曲乗りを想像するかもしれないが、オリンピックの種目となったのは、数々のジャンプやバンクのあるコースを走り抜けるレースだ。フェンシングの「フルーレ」「サーブル」とは武器である剣のことを指していて、それがそのまま種目名となっている。

 ざっと以上のような種目が追加されているが、それが実際どんなものなのかは、筆者の場合、今回調べてみて初めて知ることができた。競技自体は知っていても、さらに複雑で奥深い世界が広がっているのだと再認識した次第だ。

ソフトボールと野球は北京オリンピックが最後

 一方、減らされている種目もある。ソフトボールと野球は、2012年のロンドンオリンピックでは除外されることが決定しており、北京オリンピックが最後となる。オリンピックも時代とともに変わっているのだなあと思わずにいられない。

 トリノオリンピックでは、カーリング日本代表が大活躍したおかげで、マイナースポーツだったカーリングのルールを理解し、その面白さを知ることができた。北京オリンピックでもマイナー種目で日本人が活躍してくれれば、また新たな楽しさを発見できるかもしれない。もちろん、陸上や体操といったメジャー競技にも期待しているけれど。

アテネオリンピックからの変更点 種目
アテネオリンピックから増えた種目 陸上の女子3000メートル障害
水泳の男女10キロメートルマラソン
セーリングの男女RS-X
セーリングの女子レーザーラジアル級
自転車男女BMX個人
卓球男女チーム
フェンシング女子フルーレ団体
フェンシング女子サーブル団体
アテネオリンピックから減った種目 セーリングの男女ミストラル級ワンデザイン
セーリングの女子ヨーロッパ級
自転車の女子500mタイムトライアル
自転車男子1kmタイムトライアル
自転車男女個人ロードレース
自転車男女ロードマススタート
卓球男女ダブルス
フェンシング男子フルーレ団体
フェンシングエペ団体
射撃(クレー射撃)男子ランニング・ターゲット10m
射撃(クレー射撃)女子ダブルトラップ
アテネオリンピックから種別が変更されたもの セーリングのフィン級(男子から共通に)
セーリングのレーザー級(共通から男子に)

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