2年目の挑戦は“抹茶”――「ロック DE お茶」の1年を振り返る「シャカシャカ抹茶!」は定着するか?(3/4 ページ)

» 2008年04月11日 14時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 “食育”という観点では、予想以上の効果があったようだ。ペットボトルのお茶はどこで飲んでも同じ味だが、煎茶は葉っぱによっても、入れ方や入れる人の腕によってもまったく違う味になる。「『こんなにお茶っておいしいの』『お茶には香りがあるということを知って感動した』という声は多かったです。また、『お店によってお茶の味が違うのが面白い』という感想もありました」

 アンケートでは、若い利用者の意外な感想を聞いたという。「『お茶屋さんなんて入ったことがないから、何と言って入ってよいか分からない』という声があったので『給茶してください、を合言葉にしよう』という呼びかけをしました。『給茶してください』と言いながら勇気を持って入っていくと、そこでお店の人といろいろな会話ができて、個別対応してもらえるというのが若い方には驚きだったようですね」

 コンビニやスーパーで買い物をしていると、店の人と話をする機会は少ないし、やりとりも最低限のものになりがちだ。「『コンビニでは考えられないくらいお店の人が世間話をする! “激しい”打ち解け方でびっくりした。しかもお茶の話になると熱い!』といった感想が結構多かったんです。私たちには当たり前のことですが、若い方には“会話力を試される、面白い”と受け止められたんですね。いろいろ会話ができるのが楽しくて、旅先でわざわざ給茶スポットを探して行くという方もいました」

給茶の適正な値段はいくらなのか

 現在、ロック DE お茶を提供する給茶スポット(日本茶販売店)は198店舗で、このうち112店舗でシャカシャカ抹茶!も提供する(4月3日現在)。給茶の値段は店舗によって異なり、シャカシャカ抹茶!はロック DE お茶よりも少し高めの値段に設定している店舗が多いようだ。「現在一番高いお店で、シャカシャカ抹茶!が400円、ロック DE お茶が350円と聞いています」(橋本さん)

 実は記者自身も、毎日マイボトルを持ち歩いており、時々ロック DE お茶を利用している1人である。キャンペーンが行われた上野・君野園では、現在250円で給茶を行っているが、記者は以前、ペットボトルの対抗ということならば、値段もそれくらいでないと普及しないのではという記事を書いたことがある(参照記事)。その後、ちょうどペットボトル程度の値段である150円で給茶をしてもらえる店舗をいくつか見かけ、実際に給茶してもらった。見かけた時には「ちょうどいい値段だな」と思ったのだが、渡したボトルを漂白剤まで使ってきれいに洗い、丁寧にお茶をいれてもらった後で「150円です」と言われたときには、なんだか申し訳ないような気がしてしまった。

 「アンケートでも『ペットボトルの値段を意識して、150〜200円くらいが適正』という声が多かったです。始めは300円くらいで始めたお店が多かったのですが、だんだん下がっていきましたね。もちろんお店によってスタンスが違うので、値段もお店によってさまざまです。値段を高くしているお店は、いい茶葉を使うとか、手を入れていますから」

 例えば茶の君野園では、高カテキンのお茶や、花粉症に効くといわれる「べにふうき」など、高付加価値型のロック DE お茶メニューを複数提供している。価格はすべて250円だ。

茶の君野園では、高付加価値型のロック DE お茶メニューを複数提供している(左)。煎茶もだが、抹茶の値段もピンキリだ。同店でシャカシャカ抹茶!用に使っているのは、40グラム1260円で販売している抹茶。シャカシャカ抹茶!を1回作るのに、約3グラムの抹茶を使う(右)

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