インタビュー
» 2008年11月15日 07時45分 公開

銀座で“癒やしのカクテル”を作る、東大卒バーテンダー――阿部佳則氏(前編)あなたの隣のプロフェッショナル(4/5 ページ)

[嶋田淑之,Business Media 誠]
売上や客数、男女比、どんなドリンクが何杯出たか、その日のうちにExcelに記入する

 第4に、そうした来店客たちに関する情報管理の徹底が挙げられよう。「ご来店いただいたお客様に関する情報を、毎日メモしているんですよ。どのお客様がどんなお酒をどのように飲まれ、そしてどんな話をしたかとかですね……」。こうした細やかな顧客情報のデータベース化を地道に推進することで、来店客は、「1回目よりは2回目、2回目よりは3回目がよりいっそう楽しい」という、ハイレベルな顧客価値の創出・提供が可能になっているのである。

週の半分は店に泊り込み

 しかし、こうして得られた成功の陰には、阿部さんの並々ならぬ努力がある。筆者は、その生活スタイルをお聞きした瞬間、「これは、普通の人間には到底マネができない!」と感じたものである。

 阿部さんは語る。「毎週、月曜、水曜、金曜は、店に泊ってるんですよ。午前2時がラストオーダーですが、実際には、お客様がお帰りになるまで店を開けていますので、閉店が朝になることもあります(笑)。店を閉めた後は、後片付け、売上集計、酒類や氷の発注、顧客ノートの記入などの作業を行います。その後は、インターネットタイムで、各種の情報収集や顧客開拓を行っています。

 そうこうしていると、陽も高くなっていますので、有楽町の『マリオン』などに、話題の映画を見に行きます。最新トレンドを把握しておくことは、お客様とのコミュニケーションの上でも、非常に大切な要素ですからね」

 店に泊まり、朝になったら帰宅するのかと思いきや、そのまま阿部さんは銀座で時間を過ごすという。「映画を見終わった頃には、午後になっていますので、近所にある銭湯『金春湯(こんぱるゆ)』で一風呂浴びます。その後は、フルーツなど食品の買い出しに出て、夕方5時から店で仕込みを始めます。掃除をしたり、氷を割ったり、ジュースを絞ったり……ですね。そして、午後7時に店をオープンするんです」

 ということは、毎週半分の日は、ほぼ寝ていない?「お客様の入り次第ですね。早く終われば、その分、店で仮眠を取れますので」とこともなげに言う。

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