部屋に入ると、大きな窓の外の景色にまず目を奪われた。眼下には海を埋め立てる工事風景が広がり、船や車がさかんに行ったり来たりする。W香港のロケーションは、香港国際空港や香港ディズニーランド、国際展示場の「アジアワールドエクスポ」と、香港市街地を結んだ中間地点にある。数年前までは海だった埋め立て地だっただけに、足元では今も工事の真っ最中、というわけ。“工場萌え”の人にはたまらないのではないだろうか。
ライティングテーブルはとても広く、イスも高さや角度を調節できる機能的なもの。手元を明るく照らすライトがあり、夜遅く、ノートPCを開いても疲れない。LANケーブル、電源もデスク周りの使いやすいところに設置されていて、仕事環境もバッチリだ。
おお!と思ったのが、各部屋に用意されているiPod用のドック。実は今回、PCにUSB接続して使うiPod用の充電キットを忘れていってしまったのだが、これがあったおかげで助かった。しかもよく見るとこのドック、手持ちのiPodを差すと、中の音楽を液晶テレビのリモコンで操作できるのだ。普段ビジネスホテルでノートPCのスピーカーで音楽を聴いたり、YouTubeを再生したりしてしょぼい音を聞いている身としては、テレビ用のステレオスピーカーで自分のiPodを再生できるのはものすごくうれしかった。
翌朝、朝食を食べに行ってさらに「おぉ!」とうなった。朝食がバイキング方式になっているホテルは多いし、ちょっといいホテルなら、注文してからタマゴなどを調理してくれるところも珍しくないが、W香港の朝食バイキングには「こういう朝食の供し方があるのか」と驚いたのだ。
W香港には「Kitchen」「Fire」という2つのレストランがあり、朝食はKitchenで取るようになっている。Kitchenに足を踏み入れると、壁にはたくさんの鍋がかかっており、カウンターにはたくさんの食器や食材が並んでいる。ホテルのレストランでオープンキッチンというのも珍しい。カウンターの中ではあちこちから料理をする湯気がたちのぼって、あたりに良い香りが漂っている。本当に、どこかの台所に迷い込んだかのようなのだ。
カウンターには、数え切れないほどのメニューが並ぶ。デニッシュやマフィンといった甘いパン、卵料理、シーフードといった洋風のメニューや、焼きそばやチャーハン、お粥にザーサイといった中華風の料理などなど。目移りしすぎて何を食べていいか分からないくらいたくさんの種類がある上に、大皿に盛られた量が少なめなので、できたての料理が頻繁にやってくる。
料理が並ぶカウンターの突き当たりには、デザート類だけが並ぶ棚がさらにもう1つ待っている。きれいなガラス瓶に入ったヨーグルトやゼリー、丸ごとのフルーツ、ジュースなどなど。瓶入りのヨーグルトやジュースはおみやげとしても人気なのだそうだ。
困ったことに、どれもこれもとてもおいしそう。ずいぶん迷った末に皿の上にあれこれと盛りつけ、席について食べていたら、湯気の上がる蒸籠(せいろ)を持ったスタッフがやってきた。
「蒸しギョーザと肉まんはいかがですか?」
さすがにおなかがいっぱいだったので点心はお断りしてしまったが、せっかくの香港なのだから、飲茶気分を味わいたい人にはうれしいサービスだと思う。
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