日本“最西端”と“最南端”を同時に体験――沖縄県民の足、ゆいレールに乗ってみた近距離交通特集(2/3 ページ)

» 2008年12月08日 12時30分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]

観光客向けにフリー乗車券も用意

 それでは実際に乗ってみよう。

 仕事や観光で沖縄に降り立った場合、まず最初に足を運ぶのが、ゆいレールの那覇空港駅になる。ここは日本最西端の駅であり、空港から向かう連絡橋の突き当たりでは、記念碑と“めんそーれ”の文字が出迎えてくれる。

沖縄県の玄関口、那覇空港駅。空港からは連絡橋でつながっている(左)、「日本最西端の駅」の記念碑。那覇空港駅は、日本でもっとも西にある駅である(右)

 ゆいレールの料金は200円から290円の距離区分制だが、観光客向けにはフリー乗車券も用意されている。1日乗車券が600円(大人)のほか、2日乗車券(1000円)や3日乗車券(1400円)も用意されており、観光でも使いやすい。こういった複数日のフリー乗車券が用意されているところは、ハワイのワイキキトロリーバスのようだ。

 車両は2両編成のワンマン運転。車体の前面は緩やかな弧を描いており、「優」・「涼」・「景」・「清」・「軽」の5つをキーワードにデザインしたという。

 車内は窓が広く、開放的な造りになっている。ゆいレールは全線が高架軌道を走るため、街中とはいえ、かなり見晴らしがいい。リニモに比べると、静粛性や加減速性能で“異次元な走り”は体感できないが、軌道式モノレールとしては乗り心地は悪くない。

ゆいレールの駅はすべてホームドアが設置されている(左)、車内の風景。窓は大きめ。リニモのような無人運転ではないので、前方席からの視界は開けていないが、高架上を走るため見晴らしはよい(右)

日本最南端の駅を通過して、市街中心部へ

 那覇空港駅からゆいレールに乗り、一駅、移動するとそこは日本最南端の赤嶺駅である。ここは自衛隊基地や住宅があり、一見すると普通の駅であるが、駅前のロータリーにはしっかりと「日本最南端の駅」という記念碑があった。

日本最南端の駅である赤嶺駅。ゆいレールに乗ると、2つの「日本の端っこ」が体験できる

 その後、ゆいレールは住宅地を越えて、那覇市内中心部へ。県庁前駅・美栄橋駅・牧志駅の3駅あたりは、沖縄経済やショッピング、観光の中心地であり、観光で訪れたならば降りることが多い駅だろう。

沖縄県の経済中心地、県庁前駅。県庁や市庁舎などのほか、銀行や百貨店が建ち並ぶ

 また、おもろまち駅は、DFSギャラリア沖縄と直結。一部のレンタカー事業者は、ここに貸出・返却カウンターを設置し、ゆいレール乗車券を無料で提供するプランも用意しているという。

おもろまち駅は、DFSギャラリアのすぐそば。観光客向けの割引プランや、レンタカー連携の料金が用意されている

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