照明は灯りゆえにその実用性が問われる。街灯なら安全や安心を確保し、事業所や住民の活動を保証しなければならない。イルミネーションを兼ねていても、基本的には場所やモノを照らす機能を持たねばならない。会社や工場などの“事業所照明”は仕事の能率を上げ、お店なら“店舗照明”で販売効率を上げることが求められる。家庭なら“室内照明”で暮らしを明るくしたい。用具として機能を発揮するのが照明だ。
だが灯りは明るさだけが実用価値ではない。プラスαの要素がある。±0の卓上ランプ『お皿つきライト』は、スタンドの下にモノを置けるお皿が付く。
仕事から帰宅すると灯りをつける。そして時計や鍵や携帯、身に着けたネックレスやiPodをじゃらっと外して受け皿に置く。出かける時には灯りを消すため、忘れものをすることはないだろう。生活動線とライトを一体化させた灯りである。
Philipsの『LivingColors(リビングカラーズ)』は、好きな灯りの色を気分で自在に“調色”できる。「落ち着け」ブルーの部屋も、「燃えろよ」レッドな部屋も自在。部屋をムードを明るくできる。
このように灯りは空間を照らすばかりではなく、人の生活を照らしムードも作る。照明を次の図でポジショニングしてみた。タテ軸には実用性の高低、ヨコ軸は照らす対象の大きさで、街→仕事→家→自分とだんだん小さくした。
ファイアーウィンダーは、最も実用的でなく、最も狭い空間しか照らさないから右下だ。だが、眺めて人を無心にさせる効用がある。どこか東洋的な神秘さがあり、モノクロ美がある。それは人の“心の中を照らすライト”なのかもしれない。
華麗なクリスマスイルミネーションを観れば「まぁキレイ!」とため息をつき、見物する相方とおしゃべりが弾む。クリスマスシーズンならずとも、夜、大気圏外の人工衛星から世界中の大都市を眺めれば、たくさんの光があふれていることだろう。夜半まで消えないネオンサイン、24時間営業の物販店や飲食店、走り続ける自動車。眠らない都市の灯り、それは石油や石炭、ウランをたくさん費やして維持している。
そろそろ地球を少し休ませてもいいじゃないか。ファイアーウィンダーにはそんなメッセージを感じる。
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